2011
06.01

その蕎麦屋は、モリオカ市内から車で30分ほど。小岩井牧場の奥にポツンとたっていたのでありました。

モリオカは蕎麦が名物だというわりには「うん、ここはすごい」という痺れるほど美味い店はないのであります。
適当に美味い店ならたくさんございます。

また、「おお、絶品だ!」という店でも、話題になりTVなどで紹介されると、とたんに味が落ちる…いやいや味を落とす店がほとんどなのであります。

原因は欲であります。
客が押し寄せるので、もっと儲けようとして蕎麦粉の調合をケチったりするのでありましょう。平気でチューブ入りのワサビを出すようになる店もあるのであります。

あたかも、関係を結んだ女に対してケチになる男のようであります。
ヤル前までは、猫なで声。ヤッタとたんに居丈高になる男。まだまだ現存しているようでございますね。
岩手県の蕎麦屋のようであります。

それでは名器を作りですことはできませぬ。

「あなたの女だという証拠をみせて」
とばかりに、焼肉でも食い放題ではない店に連れて行け、とか、高い装飾品を贈れと、図々しくせまる女には閉口しますが、関係した女に対しては、やさしさを欠いてはいけまいますまい。

ヤリ終わってから食事をするなどのポーズは必要で、そういう信頼関係から名器は作られるような気がいたすのであります。
名器というか、その男仕様の女に育つのかもしれません。

モリオカに名器の女が少なく、東京に名器の女が多いのは、東京の男の質にあるのかも…。
いや、男にそういう優しい気持ちをおこさせる女の内面も問題なのでしょうか。
暑苦しくてウンザリする女もいるわけですから。

食いかけの画像ですみませんです。

「固すぎるんだよね」
という評判なのであります。

モリオカの人々はやわらかい蕎麦を好むのであります。
アルデンテは苦手なようであります。
自分はアルデンテが好みだという人も無理をしているようなのが正直なところ。

この店の蕎麦はじつにアルデンテ。
が、しばらくするとちょうど良い固さになるのであります。

あと一年くらいは、この味をたもってくれと、祈るような気持ちで蕎麦をすするのでありました。