2011
06.02

6月の雨に濡れながら、薔薇がいやらしく花びらをひろげているのでした。

なんと官能的な花でありましょう。
舌でひだのいちまいいちまいをめくってみたくなるのてあります。

愛欲の関係はいったいどのくらいが寿命なのかと、薔薇の花をながめつつおもうのでありました。

答えの出せる命題ではありませぬ。
もとより答えをだそうというつもりもございません。

ただ、その相手と春夏秋冬を迎えると、つまり一年間持続すれば、あっという間に三年や四年は過ぎるものであります。
そのなかで別れ話は何度も出るでしょう。
じっさい別れの決断をする場合もあるのであります。

が、やがてはどちらかの連絡によって関係は元に戻り、それは免疫となって、多少のことではビクともしない関係に育つのでございます。

私はいま、不倫関係を述べようとしているようであります。

一年を超える不倫関係は、ある意味夫婦の関係より深いのであります。
深いのに、しかしやはり愛欲だけのつながりですから、他の成分は含まないのですから妙にあっさりしております。

肉体的にはこれ以上考えられないほど結びつきながら、心の中では相手を蔑んでいるところもございます。
別れたいのに別れられない。

けれど、別れはいずれ到来する定めであります。
それを知りつつ、その日の来るのを怯えつつ狂ったように抱き合うのであります。
「心」が出てきたら、それは別れの合図になるようであります。

「あなたが求めるからエロメールを送っていたけれど、ホントは私は無理をしていた」
「あなたにとって私は欲望の処理にしか過ぎないのよね」
「ちょっとでイイから恋人のようになりたかった」

女側からこう言われると、別れが近いのだと察するのであります。

エロで結びついた同士は、どちらかが愛を求めた時に、その関係の成分が崩れるのであります。

愛を求められたとき愛はいらず、愛を求めたときには愛を拒否される。

これは愛欲関係の宿命なのかもしれませんですね。