2011
09.18

アメリカシロヒトリだかが大発生したというのでモリオカであります。

毛虫のことでして、庭木といわず家の壁に密集しているとのこと。
カカカッとなって、その駆除にあたったのでございます。

ところが、全身、虫に刺されてころがり回るほどの痒さ。
毛虫どもの逆襲でありました。

セルフ撮りいたしましたが、お見せするのがためらわれました。
まさに皮膚病でございます。

しばし、家の中に退避しましたが、「このヤロウ、ぶっ殺してやる!」といきり立ちまして、ホーマックにて噴霧器と強力な殺虫剤を求めこんどは全身を真冬のいでたちに防御いたしまして、立ち向かったのでありました。

奮闘すること2時間。
毛虫どもは、まるで牡丹雪のように、木の枝や葉からボタボタと落下し、地面でくねくね苦しむのでありました。1000匹2000匹ではありませぬ。1万匹はくだりますまい。
それをゴム長の底で踏みつぶすのでございます。

モリオカは近年にないほどのアメリカシロヒトリの大発生にみまわれていますです。

一息入れようと茶をすすっていましたら、髪の毛の中からポチャンと湯呑のなかに一匹おちましてございます。

殺しつつ、イノチの儚さをじっかんするという奇妙な庭仕事であります。

2011
09.18

ギャンブル宝典という雑誌の監修を15年近くもやっているから言うのではございません。

運を見放してしまって、ではいったい何を糧に生きるつもりなのか、理解に苦しむのでございますです。

ここは岩手県雫石町の、小岩井の農道沿いに見かけた部落であります。

都会から自然を求めて移り住んだとして、いちじは、もてはやされ、何回かTVにも紹介された地域なのであります。

宝くじの売り場が、ムゴイことになっておりました。

せんずるところ、人間は運なのであります。
運によってしか幸福は得られないのであります。

宝くじだけのことではございません。

努力とか誠意が運命を決するのだと言う人はございます。
もちろんそれを頭ごなしに否定するつもりはございません。
努力や誠意で運命を明るくすると信じているならば、その信念に従ってぜんぜんかまわないのであります。

この部落の人たちは、宝くじを否定しているのでありましょうか。

当たり券が出ないというのなら分かります。
が、ロト6は売り場より、数字が重要な意味を持っているのであります。

みまわすと、部落はひどくしずまりかえり、黒いイヌつれたご婦人が「こんなはずではなかった」という表情で散歩しているのでありました。

心の荒廃でありました。

茅ヶ崎にも閉鎖された売り場がございます。
そこは老人の多い地域であります。
ちょくちょく、地区のマイクロフォンが、
「赤い靴をはいた80過ぎのお婆さんが行方不明です」
と迷子のボケ老人を探す放送をしている地域に限られているのでございます。

夢の墓場でございまして、私は撮影後、いちはやくその場を立ち去ったのであります。