2011
11.06

亡父の書斎から日本抒情歌のテープをみつけて、ダークダックスのカチューシャだの黒い瞳なんかを聞いているためでありましょうか、このたびのモリオカでは夜のお遊びはないのであります。

知り合いにも一人だけ会ったきり。

あとは郊外に車をとばしては、ふるさとの山を眺めるばかりなのであります。

たまに抒情歌もわるくありませんです。
ケダモノのような日々をおくっていますと、心に染みいるものがございます。

まもなく、この風景に真っ白な雪が降りるのでありましょう。
ホントの老人になるつかの間の荒涼であります。

もしもダークダックスの音楽をかけつつHをしたらどーなのだろうと想像いたしました。
「夜霧のかなーたぇ、別れーを告げ~」なんて歌を聴きながら、窓の外には故郷の山…での情事。
30年前のTBSのドラマではあり得たかも知れませんですが、どーも、そんな気持ちになれそうにはありません。

これが夜の歓楽街に出ない原因だとすれば、抒情歌も経済的であります。

「ウソばり! オノさんがそったなごとで来ねわげねんだすっちゃ」
飲み屋のママ殿が、私メのブログを見たらしく電話がきたのでありました。
「おおがた若い子がでぎたからだえん? いいごどばり喋ったども、若いのがでぎだら、はぁ、年寄り女には用はねってどごだえん?」

そんな夕べの賑やかな電話を思い出しつつ、部屋では「エーデルワイス~エーデルワイス」を古いラジカセが奏でているのでありました。