2012
03.06

ついに梅の開花であります。
二日前に、うずうずしていた蕾がパカッと割れたのでありました。

ついに童貞を捨てたぞ! という遥か昔の記憶までよみがえるではありませんか。

白梅はじつに良いのであります。

心がないのがいいのであります。
ただ咲くという姿勢が美しいのであります。

傷ついてもいないくせに、傷ついたふりをして心理カウンセラーに通うお女性が増えていると、その道の専門家が話しておりましたが、そんなことはよそに、梅はただ無心で咲いているのであります。

が、ふりかえってゾッとしたのであります。
そこに凶相の家がたっていたからであります。

「L」の字型に曲がった家であります。
しかもこのエントランス。
柱の細さ。

すべての凶を告げるマガマガしい赤い線が、この家に向かって放たれているようなものであります。

風水などという幼稚な占いではなく、家相はじつに的中する占いの一つであります。
おそらく、この家は廃屋に化するでありましょう。
病気か事故が続き、家族離散の相なのであります。

しげしげと眺めていましたら、奥の窓から私メを怪訝に見下ろしている人の影がありました。

家相の依頼もされておりませんですから、そのまま行き過ぎたのでありました。

いやいや、お話が暗くなりましたです。

けれど、家というものはとても大切なモノでありまして、不幸がつづく家があるかと思えば、幸運が連続する家というものもございます。

どうすれば幸運が舞い込む家相に直すかが腕の見せどころでありますが、画像の家のように、いかんともしがたい家もまれには存在するのであります。

この世は栄枯盛衰。
お金も名声も恋もすべてが、でありますですね。

そのような目で梅の花を見たりしてしまうのでありました。