2012
05.27

勝王ならぬカツオの季節であります。
食って勝負運を上げましょうぞ。

なにもギャンブルに限らず、仕事でも恋でも、この世は勝負の世界。
相手を負かすとかそういう意味ではなく、やはり、たまには運を味方につけたいものであります。

が、魚屋でもとめたカツオはともかくとして、スーパーに並んでいるカツオは、どことなく水っぽくは感じませぬでしょうか?

ふむふむ、そこでスーパーで買ったカツオを美味く食う方法をお教えいたしましょう。

これは寿司屋で教わったものであります。
「どーしたらこのように美味いカツオを食えるんだろう。家で食うのはギラギラして味が薄いんだよね」
「教えたら、店があがったりになりますよ、旦那」
と言いながらも、オヤジが教えてくれたものによると…。

ブロックで売っているカツオに大量な塩をまぶす。そして、20分ほどおいて、それを水洗いした後に、刺身に切る。

コレだけなのであります。

すると、余分な水分が出て、じつに濃厚な触感となるのであります。

なお、カツオのブロックには二種類あり、えぐれているモノは腹の部分で脂身が多く、これはおろしニンニクで。
えぐれがないモノは背の部分で赤味。これはおろし生姜で喰うらしいのであります。

そしてそして、20分間塩をまぶした後に水洗いしたものを、カチンカチンに冷凍して、それを炙りますとカツオのタタキが出来るのでございます。つまり表面は焼けて、芯は氷が解けただけの生。それをタッパーに入れ、ニンニクやら生姜やら細かなネギやらと一緒に醤油をぶっかけてしばらく置くと極上のタタキの出来上がり、っつうわけでありますです。

「わたしのカラダのこと、ぜんぶ知りつくされてるみたい」
と口のなかでカツオが悦びの声を上げているのが聞こえるのでございます。

「おまえは、いつも新しい発見をさせてくれるよなぁ」
「こんなに潮にもまれてニンニクにさらされて、もうどーなってもイイ」
「じゃあ、ここもかじっちゃうぞ」

てなわけで、ツキ運を高めるカツオ料理を、初夏の夕暮れ時にどーぞ、でありますです。

2012
05.26

占いの師匠から言われたことがございますです。
「占いを仕事にするなら、近所ではイイ人だ褒められるように心掛けなさい。外で暴言を吐こうがかまわないら」
このひと言でしたが、なかなか実行は難しいモノであります。

湘南にはマボロシのラーメンというものがございまして、まぁそれは「城門ラーメンなのでありますが、いちど潰れて、近年に復活し、辻堂と茅ケ崎の一軒ずつございます。

その一軒の、電柱に、このような注意書きがあったのであります。

ああ、この店も長くはいのではないだろうかという予感に襲われました。

つまり、この注意書きは、隣の店とのトラブルを暗に物語っておりますです。
ゴミや煙草の吸殻を捨てるな、とだけ記せばいいものを 「こちらのラーメン店が濡れ衣を着せられます」の一文に、すべての状況を読みとることができるのであります。

さらに店が繁盛しているときは、このような看板は出しませぬ。ニコニコ顔でゴミや吸殻の掃除をするでありましょう。

案の定でありました。
以前は650円だった城門ラーメンが値上がりして750円。
しかも麺の質が落ち、味も微妙にダメになっていたのでございます。
料理屋が素材や味を落とせば末路は知れております。

恋も同様であります。
「あの人大嫌い」「キモイ部長がいるのよ」
と、つい恋人に愚痴をいいたくなるものでありますよね。

それはそれで仕方ありませんが、眉を寄せてしかめっ面を作っては、男はその顔をする内面の素顔を見た気分にさせられるのでありますです。

友達の悪口を言いながら悔し涙をながすケースもございますです。
これは危険でございます。
「友達ってキミの味方じゃないの?」
なんてたしなめると、火に油を注いだごとく、逆上するのであります。

愛しているお女性はいつも笑顔でいてもらいたいのであります。

もしも、男が感情的になって上司や部下の悪口を吐露したら「ウツワの小さな男」と思うではありませぬか。

しかめっ面の不平不満のお女性を快楽に誘い、鬼のように官能をむさぼる平和な形相に変えるのは、男にとって無上の悦びではありますが、心は違いますです。
「やさしいお女性はどこにいるのだろうか……」
と放埓な肢体で仰臥したお女性をみおろしながら思ったりするのでありましょう。

誰かを非難するときには、ジョークというオブラートにまとうことを忘れないこと。
これが大切な基本姿勢でございますですよ。

味の落ちた城門ラーメンの、どこに、その味が落ちた原因があるのかと調べつつ、結局は完食。

それでも「不味くなったね」という適切な評価は忘れずに伝えたのでありました。

2012
05.24

つい先日まで白い花びら美しく咲かせていたミカンの木は、どうやら無事に受粉したようであります。
こんな小さなミカンの子供を宿しているじゃぁ、ありませんか。

花の季節から、実を育てる季節へと移ったのであります。
なんとなく落ちついた雰囲気を漂わせております。

お女性にも同じことが言えるのであります。
ひっしにファッションで身を飾り、可能なだけ有能な男の目に止まろうとする十代二十代のお女性より、三十代、四十代に、むしろ魅力をおぼえるというと、すこしゴマすりのような気がしないでもないのですが、二十代にはない落ち付いたスケベさを有しているのはまぎれもない事実なのであります。

なかには、すでに若くはないのだという自覚がなく、大騒ぎしている三十代四十代もおりますが、いやいや、自覚ない派が多いために、おババ軍団と蔑視されているのでありますが、そうでない少数派の美味しさといったらありませんです。

若い子にはない味覚があるのであります。

赤ん坊なのかオヤジなのかは分かりませんが、そのどちらかに吸われすぎて巨大化し、あるいは左右がイビツになり、黒ずんだりしたチクビすら魅力あるドスケベさの味わいなのでございます。

しかし、三十代以上のお女性は大変かもしれませんですね。
男たちからは、「その歳になって傷ついただと。いい加減にしろ、このばばぁ!」などと大切にされなくなりはじめるのであります。
歳はとってもハートは変わらないのであります。
けれど、周囲からは心が強くて当然だという扱いをされるのであります。

このような過酷な季節でもある三十代四十代のお女性さんは、けれど、本当の大人の恋をする季節であることも間違いないのでありますです。