2012
05.05

考え方が幼稚なまま初老を迎えた私メですが、もはや子供の日を祝う何も残ってはいないのであります。

故郷の名物である南部鉄瓶にてお湯を沸かし、頂いた新茶を淹れまして、それをゆっくりと味わうのであります。

絵にかいたような老人の姿ではありませぬか。

老母から「一杯茶は縁起が悪んだよ」と叩き込まれていまして、その習慣をかたくななままに守っておりますから、腹の中でチャボチャボいっているのもかまわず、二杯目を淹れて、それを喉の奥に流し込むのであります。

新茶のいい香りが、口の中を渇かせながら漂ってくるような気がいたしました。

「ウーロン茶はかえって喉が渇きますからミネラル水にしてください」
という言葉がよみがえりました。
百貨店でイベントを組織していた頃、担当者にお願いしたことばであります。

イベント占いは、一日に40人程度をこなさなければならず、それは喉が渇ききる重労働なのであります。
でも、ウーロン茶ではいけませぬ。
かえって喉が渇いたようになるからであります。

いまでは不景気も極みでイベント占いなど、ほとんどやっていないようであります。
遠い昔の神話であります。

新茶を飲み干し、で、そのまま電車に乗り、事務所のある神楽坂に向かったのでございます。
けれど、ご覧のとおり、ガラーン。

GWは静かなのであります。

電話もなく、メールも少なく、じつに落ち着くのでありました。

自由業にはGWも、盆も正月も日曜日もありませぬ。
それがイイのかどーかは分かりませんが、仕事をしながら、
「こんなことしていていいのか」
とたまに思うことがございます。

とはいうものの、かつて祝日にかりだされイベント占いをやろうという気力も失われているのであります。

そしてこれでいいのだと思うとどうじに「誰かに会いたいなぁ」とも考えるのであります。
その誰かが、誰なのかはわかりませぬ。
ただそう考えただけなのでありましょう。

子供の子。
これでいいのだ、と過ごしたわけでありました。