06.07
電信柱に蔦が巻きついていたのであります。
うっそうに茂る風景であります。
男女の関係のようにも見えるのであります。
身も心も離れがたいほど、魂の部分でつながっていると認識している男女。
狂うほど愛し合い、羞恥心まで捨てて、潮を吹き上げては快楽を叫ぶお女性と、その悦びにうちふるえる姿に陶酔する男。
が、男女の関係とは蔦の如く儚いものてあることも事実なのであります。
茎を切られれば、どんなに勢いよく茂っていても枯れてしまうように、してはならないタブーが、男と女の関係にも存在するようであります。
たとえば、約束。
男は言います。
「いつかキミと旅行がしたいね」と。
その言葉に嘘も偽りもないことでありましょう。
けれど諸事情というものがございます。
お女性はメールいたします。
「来月の週末、ダンナが出張だから、時間があくの。旅行の約束をおぼえている?」と。
が、男の仕事が、それを許しません。
直接に「行けない」と返事すればイイのですが、お女性の気持ちを考えて「難しいかもしれないな」と遠回しにメールするのであります。
そこで、察することが出来るか否か、お女性の値打ちが決まるのはココなのでございますです。
ほとんどは、「約束、約束」と大騒ぎして「約束を守るかどうかで、わたし決めたいの」と、脅しをかけるモノであります。
男は沈黙をもって返事と為す。
そんな習性を持っているようであります。
お女性からすれば、まことに焦れったくもあるでありましょう。
が、そこで、
「この件には、これ以上は踏み込まないのが賢明だ」
と気づいていただきたいものだと書くと、「男は勝手だ」と反論したくなるかもしれませんですね。
が、そのタブーをおかし「やっぱりね。約束なんて嘘だと思ってたんだ。わたしのカラダだけが欲しかったんでしょう」と意気巻き、みずから墓穴を掘ってしまうことの、なんと多いことか。
ああ、ブルータスよ、お前もか…! ではありませぬが、「ほほぅ、そのカラダにそうとうに自信を持っているようだな、どうやらオダテすぎかもしれぬ…」と思ってしまうのであります。むろん、男はそんなことは言いませぬ。ここでも沈黙いたすのであります。
お女性が感情をむき出しにしてしまうと、美貌も台無し。
このへんが引き時だろう、と男に決断されてしまうことになるのでございます。
ゆめゆめAKB48の選挙投票だかの、興奮メッセージをお真似にならぬようにお願いいたしますです。はい。
ほらほら、画像の蔦も、根元をチョキンされただけで、哀れ、かように枯れ果ててしまったのでございますよ。
先日、脱稿いたしました「エロ12星座(仮タイトル)」を執筆しながら、様々な角度から男女の関係を考えたものでございますです。
男はバカですが、お女性におかれましては、健やかに、そして賢くあってもらいたいのであります。
切に切に、そればかりを祈ったりしているのでありました。
蔦も、それほど茂らなければ、切られなかったものを…でございます。