2013
04.08

毎年、お釈迦様の誕生日はお寺にいって甘茶をいただくならわしにしております。

いつもの年なら、桜が満開なのでありますが、今年は葉桜。
甘茶の、中条きよしの声のような味が好きなのでありますです。

五杯は飲みました。

どのお寺も甘茶を出すわけではなく、鎌倉や横須賀などで甘茶をふるまうお寺を探したものでございます。
が、自転車で15のところのお寺を見つけてからは、今年で三年目。

なにしろ、お寺の裏手で、老人会が振る舞い酒までご馳走してくれるのであります。
笹酒と言うのでありましょうか、ぶった切った竹の盃に、燗酒をなみなみと注いでくれるのでございます。

炉ばたに突き刺した竹に燗酒が入っているのでありました。
ここでも五杯。

いささか気が飛んだ燗酒でありました。

そのほかに、焼き芋だの煎餅だの。
無料なのがイイのであります。

タダ酒を飲むのは久しぶりでございました。

これからは、お金をだしてしまう悪く癖を直そうと心に決めるのでありました。

けっこう満腹になり、ほろ酔い気分の春の午前中でございます。

近くの幼稚園の園児たちも集まり、境内は、いっきに賑やかになりました。

そういえば、ここで知り合って、以後、季節の野菜や魚を届けてくれたお爺さんの姿がみえませぬ。

死んだのかボケたのか。

この園児たちも、あと80年もすれば、モウロクするのでありましょう。
その80年間、いや、人間関係のゴタゴタに巻き込まれるのは、もうすぐでありましょう。すでにちいさな恋やいがみ合いは始まっているのは間違いありますまい。

ただ、幸せになりたいともがき苦しみ、幸せと言うモノは幻想にすぎなかったことに気づくのが80年後ということなりでありましょうか。
それでも、そのころも4月8日には、花祭りが行われるのでしょう。

人間は文字の発見によって、文化とか文明が発達したらしいのでありますけれど、幸せというものは、文字では伝えきれないようであります。
ケダモノのように、オスはメスを狙い、メスはオスを選別し、あるいは殺し合い、憎しみ合うのでございましょう。

遠回りして、春の日差しを楽しみつつ、部屋へと戻ったのでありました。