2014
01.26
01.26
イイことをしたのかどうか分からなくなることがございますです。
昨年末といいましても、つい一か月前のことでありますが、近所の梅の枝を手折りまして、水差しに入れておりましたら、キレイなお花をつけました。
そして枯れました。
まだ野の梅は蕾でありますのに、それを待たずに咲き枯れたのであります。
花が咲いたのは良いことだと思っていましたけれど、他の梅たちが、これから咲くという前に枯れてしまったのは、ちと寂しいことでして、その原因を作ったのが私メであります。
良いことは悪いことで、悪いことは良いことに通じるかもしれませぬ。
二年前の11月、私メは苛立っておりました。
そんなときに電話をかけてきたお女性がおりまして、彼女に八つ当たりしてしまったのでありました。
お客様を癒す言葉の使い手である易者は、相手の心を切り刻むことにも精通しておりますです。
いつもなら、その刃を鞘に納めたまま、どのように挑発されても「へへっ」とニヤニヤしてごまかすのでありますが、二年前の11月はそうではありませんでした。
そのお女性から、ふいに電話があったのであります。
ほんの三分間の会話でありました。
しばし事務所の窓から冬枯れのおもてを眺めておりました。
乾いていた唇がぬくんでおりました。
ありがとうという言葉を素直にいえたのは何十年ぶりか覚えておりません。
わるかったなぁ、私メは枯れた梅の花にも言ってみたいのでありました。