2015
07.13

本日は夏至から数えて三度目の庚の日。つまり初伏日なのであります。
伏日は猛暑ということになっておりまして、茅ヶ崎も朝からジリジリと陽射しが砂を焼いております。

伏日は三度あり、次の庚の日、23日が中伏で、この日も猛暑に注意であります。

また立秋後の庚日が末伏といい、今年は8月12日がその日。

で、モノ好きに浜へと自転車で出向いたのでございます。すぐに後悔しましたけれど、台風の影響で磯の香りがつよく、その匂いにつられてましてございます。

月曜日とあって人影はまばら。
陽光と海鳴りと風の音が浜を満たしておるのでした。

林道の向こうに海がのぞいているのは郷愁を誘われる風景であります。
海に遠いところで幼少期を過ごしたにもかかわらず、郷愁を誘われるという感覚は不思議でございます。まるで祖父母の家に遊びに行った過去でもあるかのよーに。

見知らぬネエさまが、ざわめく波を眺めておいででありました。
湘南の浜のはずれにうら若いネエさまの姿はめずらしいものでございまして、しかも恋人らしき男の影もございませぬ。
心の悩みとかあるのでしょうか…と、反射的に職業的な目で見てしまうのであります。

遠くから音楽が高く低く聞こえてまいりますのはサザンの曲のよーでした。
たとえば明治大正の頃と風景はほとんど変わらぬ浜の情景に、当時はどのよーな曲が似合っていたのでありましょうかと問うたところで、答えてくれる人がいたとしても、きっと次のカーブを曲がるまで憶えているかどうか。

それほどに海はどよめき、光の強弱が踊っているのでございます。

私メは本日はお休み。
メールも電話も不通にしておりますです。

なんにもしたくなく、誰とも喋りたくないのであります。
そのワガママを好きにできる生活を、私メはとてもとても感謝いたしておるのであります。
誰に?
さあ、誰にでしょうか。
運命にでしょうか。
健康にでありましょうか。

カラダの内側からノックの音が感じられますが、それすらも捻じり伏せております。
ノックの音はアイディアというヤツでありましょう。

けれど、いまはお金になるかもしれないヒラメキも迷惑でして、たぶん明治の人たちも見ただろう同じ風景を眺めていとうございました。

帰りに、薄型のグラスを買おうかなどと考えました。
ビールが美味しく飲める、口元がお女性の鎖骨のよーに湾曲したグラスを。