2015
10.22

秋から冬にかけてモリオカはスケベな雰囲気を醸し出すのであります。
お庭にも、ほつれ髪みたいに枯葉が散っているのでございました。

夕日が一隅を薄寒く照らしているのです。

元気は似合いませぬ。
「疲れたねぇ」という衰えが良く似合いますです。

「また帰っておでんしたのぉ」
とご近所のおばさん。

親戚からは嫌われておりますけれど、それ以外からは慕われているのかもしれませぬ。
「ちょっと待ってください」と東京駅で買ったお土産を渡し、敷地内の散策。

野柿の実りは例年並みのよーであります。

渋柿ですから渋くて食えたものではございませぬが、焼酎につけ、どろどろにとけかかったお味は最高でございます。

それもまたエロっほくて、秋の深まりのオタノシミの一つでしょうか。

仕事を忘れ、乾いた風に吹かれるのは格別なのでした。

陽が落ちた頃、さきほどのおばさんが、キノコを持ってきました。
「じゃじゃじゃ」
と遠慮なくいただき、土やゴミなどを取り除き、キレイにしたものが画像でございます。

ブナシメジでございます。

今夜は、キノコだけ鍋にしようと老母に言いまして、さっそくお酒を買いにスーパーへ。

県外不出の「鷲の尾」のちょっとだけ高いヤツを買い求めましてございます。

で、ご覧の通り、純粋にキノコだけの鍋。

最後にうどんを入れて食うのですが、これが絶品なのであります。
濃厚なキノコの出汁が効きまして、最高料理とあいなるのであります。

これで、色っぽいネェさまでもいれば申し分ないのでありますが、鼻先まで棺桶に入ったオババさまでは…。

と、そのときミシリ、カンカン…と物音が。
老親子は音のする方へ顔を向け、「出てきたね」と。
いえいえ、幽霊なのであります。

私メは見たことはございませぬが、音だけは聞こえますです。
ときには玄関先で靴を脱ぐ音、階段を駆け下りる音、戸の開く音、色々でありますが、今夜は隣の部屋にひそんでいるようであります。

「キノコの匂いにつられて出て来たんだべか」
老母は「遠慮しないで入って来ていいよん」

秋風が通り過ぎていきましたです。

ホントの話でありますよ。

2015
10.21

宅急便の使者が、このよーなモノを届けてくれたのでありました。

手紙が同封されておりまして、どーやら犬のロメオへのプレゼントらしいのであります。
送り主は、以前、鑑定したお方。
ふーむ。

犬に贈物をするという余裕がでてきて、まずは、ひと安心かも…なんて感じたのでございます。

「いいえ、全然なんです」と首を振るのでしょうけど、だけど、意識が自分の中へと向かっていたのに、それが外へと向いたことは運勢もやがては上昇するのでございます。

袋から取り出しましたら、毛糸の温ったかそーなヤツなのでありました。
裸犬なので、この冬はおおいに重宝することでございましょう。
黄色いのはカミカミして遊ぶヤツ。

きっと、宝物になることは明白でございます。

私メは自分では優しく優しく鑑定しているつもりなのでありますけれど、「ずいぶんキツイですね」と言われることがございます。
出た目を忠実に語っているので、オブラートに包んで言葉を紡いでも、相手を傷つけているのかもです。

反対に「説教は一切ないのがイイ」と仰る方もございます。
「その仕事は上手くいきません」とか「事務員に注意してくださいよ。使い込みしてますから」と、これも断易で出た目の通り。

ロメオはゴキゲンでありました。

片足をあげ、耳の片方を立てて、カメラ目線は、かなりお気に入りのポーズ。

数時間後、クンクンと訴えるので、脱がせてあげましたら、さっそくトイレでオシッコ。
お気に入りの服を汚すのが躊躇われ、我慢していたらしいのでございます。

カミカミは寝床に隠しておるのでありました。

2015
10.20

ピントがボケてますが、大きなアサリをいただきまして、この数日間の疲労から回復しようと、素朴な焼き貝を試みたのでございます。

汁が煮立つ直前で火を止めました。
香ばしい磯の匂いがたちこもり、最初は二個ほどで止めようと思ってましたのに十個はペロリ。

人間じゃない貝もとても美味しゅうございます。

自然の塩味が体内の水分に、音を立てて溶け込んでいくのがわかりますです。

とっておきの美酒の封を切るのに時間は必要といたしませぬ。

栃木の名酒であります。
お酒の重たい味が貝の塩っ気をぬぐいとり、こりゃぁ何杯でもすすむのでございました。

メールをチェックしつつのお酒と貝なのでありましたが、「メールなど読んでいる場合か」という気分になるのは致し方ございません。

私メは周囲に叱られるほどのメール無精者。いやメール人非人。
返事をするのが億劫なのでござます。

仕事はそれでも一応は返事を出しますですが、それ以外は返事を打ちかけては、「明日にしよう」となり、明日になれば「まだいいか」となり、結局は「もう時効だろう」てな具合に崩れ落ちる連続でございます。

それで「オノはお金か女でなければ動かない男」と刻印されるのでありました。

PCを閉じ、むしんに貝とお酒を味わい、「まだ暑いなぁ」と扇風機を回すのでありました。