2015
10.05

スーパーで65円のシーフード味のカップ麺を買ってまいりました。

これだけではショボイのでございます。
まるで劣等感にまみれたお女性が繁華街を背中を丸めて歩いているよーなもの。

で、タバスコとレモン汁を用意したのでございます。
お湯を注いだカップ麺が出来上がったころを目がけて、タバスコを発狂したかのようにふりかけるのであります。だいたい10振りくらいはしなければなりませぬ。
そしてレモン汁を「多すぎたかな?」と心配する程度に回すのでございます。

そうしてフォークで…箸でもイイのですが、かき混ぜて、ひとすくい口に納めますと、
「おお!」
トムヤンクンに早変わり。

なにしろ65円でありますから具は皆無に近いので、あらかじめ用意していた温泉卵をぶっかけます。

じつに美味いのでございます。

背中を丸め、いまにも自殺しそうなお女性を、プールサイドに立たせたところ、別人のように堂々たる態度に変わって、腰を抜かすほど嬉しくなった記憶がございますが、まさにそれ。
「みんな、おぬしばかり見ているぞ」
と肘で小突き、ふふふっとニタリといたし、彼女もまた男どもの視線を快く感じたのか、長く気持ちよくのびた脚と湯たんぽ型のお尻と、形の良い胸をそらしプールサイドを行きつ戻りつ。
男どもは一斉に顔を右に左に、彼女の動きにあわせるのでありました。

すると日頃はデキル女っぽいお女性たちが、彼女が近づくと波がひくよーに退いたり、用事を思い出したかのよーに消え失せたり、バスタを腹のあたりに巻き付けたものでございました。

「いつも、そうなの」
と彼女。
「スパでもそうなの。わたしから遠ざかるんだ。みんなから嫌われてる証明みたい」
いやいや、それはイイ意味の嫌われ方なのだぞ、と言いかけて、そんな場合かと、カメラを取り出したら、係りのお方がかけより「撮影は固く禁じます」などと注意を与えられたのでございました。

65円の人生…いやカップ麺も工夫一つで開運、いやトムヤンクン以上のお味になるのでございますです。

ぜひぜひ、ご賞味くださいまし。
彼女でなく、カップ麺の方であることは言うまでもございませんけどね。