10.07
珍しいお酒をいただいたのでギリッと冷やしてグイッといたしました。
やや甘口ですからドロリと胃に収まりました。
鍋島といえば佐賀。化け猫騒動の藩でありましたか。
明治の易聖といわれている高島嘉右衛門の自伝に、若いころ、鍋島藩と南部藩の仲を取り持ったという話がございます。
二重鎖国をしていた鍋島藩は赤字財政に陥っており、そこで高島嘉右衛門を仲介者として南部藩から二万数千両を借りたとか。
高島嘉右衛門と南部藩の関係はそこから強くなり、廃坑となっている岩手県の北東部にある岩泉のあたりには高島姓が多いのであります。
何を意味するかはともかくとして、
17歳で高島親子が炭鉱の長として出向き、父親が体調を崩したあとは少年の嘉右衛門が指揮をとっていたとか。
で、明治になり、横浜で大富豪と成長した嘉右衛門が、仕事のついでにその炭鉱に立ち寄ったという話がございます。
宴会が開かれ、嘉右衛門はかつての馴染みの芸者、白菊を呼んだそうであります。が、待てど暮らせど彼女は来ないのであります。
宴が終り、ぬるくなった酒を傾け、「白菊は来なかったよーだが」と後ろに控えている老婆に語ったところ、
「白菊はずっとまえからおそばにおりましたものを」
と歯の欠けた口を押さえつつ醜く笑ったそうであります。
その老婆こそが白菊。
笑い話に読み棄てておりましたが、とても恐ろしい話だと、最近になって身に沁みるのでございます。
話題は変わりますですが、嘉右衛門の娘は、伊藤博文の養子に嫁いでおりますから、そこらへんの隠れた歴史なんかも面白そうなのであります。
名酒、鍋島に酔いつつ、つい南部藩に逸れてしまいましたけれど、昔の人はよく歩いたモノでありますね。
いまは駅を中心に栄えておりますが、昔はお城とか橋が町の要だったのかもですね。明治時代に駅を作ることを拒絶し、いまだに駅のない街がございます。
お豆で有名な、丹波篠山でございます。
とても不思議な街でありましたなぁ。
お城とかお堀とか当時の生活を彷彿させるように残っておりまして、街は城下町のままであります。
ありゃ、またまた脱線いたしました。
というか語る主題のないまま酔いまかせたブログとなったよーであります。
なので今日はこの辺で。