2017
04.05
04.05
通りがかりの桜木が満開で、ふと足が止まったのでありました。
いつぞや…前世紀のことでありましでしょーか。
原稿を書くことが楽しかった頃のことであります。事務所に泊りかがりで、ひっしになってPCを打っておりました。
出来た!
の感動は解放感といちまつの淋しさの混じった虚脱感であります。
それで、おもてをブラつきました。いやお女性のお部屋へ向かったと記憶しております。地下鉄に乗り、目的地の駅で地上にでましたら狂ったような満開の花で埋め尽くされていたのであります。舗道にも桜がまいおち、やわらかな光だけが存在しているのでありました。
桜の黒い幹は、綿のようなたわわな桜の花びらで空をかくし、それがどこまでもどこまでも通りを霞ませているのでありました。
吹雪に覆われた村のよーでありました。
桜は春ごとに咲くのでありますが、感動の桜は一生のうちに、そんなに多くはありますまい。
そろそろ郷里で味噌作りをしなければ…私メにとって、最近は、桜はそういう目安になっているのでございます。