2017
09.10

神戸での朝食ビュッフェでのこと。
斜め向かいのお女性が、片手で身体を支えるようにして食事をしていたのに気づきましたです。

どーやら、それが癖のようであり、左手でお皿を抑えたりした後は、また椅子に戻すのでございます。

「いとも簡単にひっかかるお女性」
として人相書にございます。

試しに、朝っぱらでございましたが、私メは目に色気をためまして、チラリと視線を送ったのでありました。

磁石に引っ張られるよーに、お女性の視線が絡み合いいました。

とたんに、そのお女性は眼鏡の奥の小さなお目メが、泥に崩れるように音もなく溶けだしましたです。

あとはもう、なし崩し的に、身体をナメクジの如くくねられ始めたではありませぬか。

幸か不幸か、私メの好みのお女性ではございませんでしたけれど、吐息が聞こえるよーでございます。心なしか、眼鏡のレンズが体温で曇ったのではないかと存じますです。

片手で身体を支えるよーにするお女性は、自分の欲情を持てあまし、メロメロになりやすく、そういう性情をなんとか維持しているにすぎませぬ。真面目でもカタブツでも、それは表向き、ポーズにすぎないのでございますです。
男の腕で、身体を支えて欲しいというのが無意識の雄たけびだと解して間違いないのであります。

友達と一緒のよーですが関係ございませぬ。
目で、合図すれば、たとえばサラダを追加することを口実に席を立つはずであります。
「1007…」
残されたことは、ルームキイを見せるだけであります。

関係はいたしませぬが、朝から、一人のお女性を陥落させた満足に、その場をあとにしたのでありました。