2017
12.22

1時間遅れの便で、寒冷地から引き揚げてまいりました。

僻地ゆえ、到着ロビーも羽田空港の端のはじ。

ほとんど誰にも使われていないのでトイレもモヤルームも清潔なのでありますです。

手荷物受取も、すでに着いていて、私メのガラガラがいたずらに回っておるのでありました。

そーいえば乗客も少なく、最後部座席でリクライニングを倒したまま、ずたっと目を閉じておりましたです。

30年前のスキーウェアを着ていたのでありますが、それが暑くて暑くて。

モノレールから、とおくに富士が霞んで眺められます。

すると、つい数時間前までいた、滅びの町が急速に遠のいて感じられるのでございます。
マボロシだったのではないかと。

突き刺さるよーな寒さと、上司が遅れて到着した途端に、それまでは無言だった二人が、スイッチが入ったよーに陽気に騒ぎ出した居酒屋と、やはりその居酒屋で働く腰の曲がった老婆も、すべてが実際は存在していなかった夢なのではないかと。

橋の近くの古本屋でもとめた三冊の本。
出発の時に、きゅうにバカバカしくなって宿のゴミ箱に破いて捨てましたから、旅の証拠となるものが何もございませんです。

ああ、頭がかゆいなぁ。
四日間洗髪していないことに気づくのでありました。