2019
10.03

登山の日とかでしたからリフトで登山しましたです。
それでも10分ほどは登りましたが。

リフトを乗り継ぐにつれて晩秋へとタイムスリップ。

曇天で肌寒く、待ちに待った季節なのでありました。

せっかくなので、「邪気」を吐き出し「気」をとりこんだりしましたが、体内に邪気があったかどーかは自覚しておりませんでした。

そこで老母を待たせ、最後のリフトへと乗り込みましたら、足元を霧が流れはじめたのであります。
ググッと気温も下がり、コートの前を合わせないと凍えてくるのでした。

もはや風景どころではなくなり、霧のまにまに紅葉が薄いベールをかぶって突如として現れたりいたすのでありました

ときおり強い風が襲うのであります。

数時間前に大量に食ったおろし蕎麦のせいか便意にまで襲われますが、野グソというわけにもいきますまい。

下腹を手のひらで暖め、
「大丈夫だ」
などと自分に言い聞かせるのでありました。

リフトの係の老体は、おそらく私メとたいして齢は違わないかと思いました。
というか、どこかで見たことがあるぞ、とその皴に隠された少年の頃の人相をさぐるのでございました。

「その軽装では、引き返した方がいがんべよ」
お節介な忠告を無視しーーいや、そのまま引き返そーと思っていた矢先のお節介だったので、無視して登ることにしたのでした。

そして、その挙句のザマであります。
10分もたたぬうちに
かんぜんに霧に呑み込まれ、方向を失いそーになったのでありました。

恥ずかしながら帰還することにいたのでございます。

生き延びて老醜時代をむかえる選択をしたというわけであります。