2019
11.23

昭和14年に、この家を建てから、このよーにガラーンと家財がなくなったのは初めてなのであります。

チェックすると襖と柱の間には隙間が生じ、土壁が歪んで崩れており、
「これは限界に近い…」
とため息をついてしまったことでありました。

可憐だった少女が皺くちゃな歯っ欠けババアになり果てたようなもの。
美少年が異臭をはなつ糞ジジイになったに等しい惨状なのでありました。

価値のあるものなし。
どこにも隠し財産もなし。

老人ホームの無用な生きるシカバネ状態でございました。

日航機墜落の記事の新聞紙が割合新しいもので、それはガラクタの箪笥の底に敷いておりましたです。

来年の1月から解体が始まり、それまでに、この家で育った3人の叔母を招いてお別れ会をしなければなりませぬ。

そして完成は7月の五輪直前の予定。

家相だけに頭を使いましたが、じっさいは、このような事前の煩わしい事柄に振り回されるのであります。