08.28
人格的にも、人に誇れることはほとんどない私メでありますが、ひとつだけ
「何かあるでしょう?」
と問われれば、食い物を粗末にしないところでありましょーか。
お百姓さんが丹精こめて…とか、罰が当たるとかとは別に、ご飯粒がのこったまま、御馳走さまができない性分なのでございます。皿にキャベツの千切りの一本でも残っていますと、残したままではいられないのであります。
本日は、
「食うものが、もはね~」
老婆に言われましたが、冷蔵庫を開くと、腐りかけた品々が大量に出てまいりました。
これが老母でなく、他のお女性なら、
「別れ時だな」
なのですが、肉親ですから、苦々しく笑い、あきらめて、
「あど一週間はもつべ」
以後、無言で黙々と、腐ったキャベツや、縮こまったチンポの如きしなびたニンジン、ササゲなどなどを煮込み、腐臭を誤魔化すためトマトジュースをぶっかけ、ビンボースープをこしらえたのであります。
また、賞味期限が桜見物時にすでに切れていた豆腐もございました。
捨てません。とにかく火にかけ、食えるところまでは喰う工夫をするのでありました。
腐った野菜などのために、冷蔵庫はぐたぐたに汚れており、SEX後のお女性のオマタを清めるよーに、布巾で拭うのでございました。
ツンとした臭いを発する豆腐に、とにかくネギで臭いを消せばいいのだという理論でございます。
「何とかしてくれ~」
死に切れぬ食物のうわごとが臭いとして漂っているのであります。
冷蔵庫の奥からはメロンが出てまいりました。
幾重にもラップで巻いておりましたから、
「人間の頭では…」
割りましたらオレンジ色の果肉。なめたら完全に腐っておりました。
これは裏に捨てましたが、さーて、問題は明日の体調であります。
食卓には腐れ料理が三品。
無事に明朝を迎えることが出来れば、
「開運間違いなし!」
なのでございます。
さきほど二度、藻屑現象に見舞われましたが、これは気のせいでしょーか。