04.07
土地を売るならば六冲卦は悪くありません。
ところが、相談者は、その土地を購入したいということであります。
自分の持つ土地の右側にあるその土地の所有者は、
「売るつもりはないということなのですが」
それでは占いでも何ともできません。
ましてや六冲卦。
上爻が自分。三爻の卯官が相手。冲の関係でございますです。
上爻の世爻が動いて化絶。
土地は二爻の巳父母。暗動して未の兄弟を生じます。
「うん?」
ここで私メの脳みそがゴソッと動いたよーな気がいたしました。
未兄弟は空亡であります。空亡は剋を避けますが、生じられることも出来ません。
とすると、四爻の丑兄弟を生じることになりましょう。
「だ、としても世爻が化絶では…」
化絶と取りながら、世爻が化出して寅は日晨の亥と合。
冲中合までの力はないが、値段を予定価格より上げれば手に入るやもしれません。
亥才に卦身がついていますし。
しかし、ココ止まりであります。
これでは素人判断。
動いた脳みそはまだ何かを訴えておりますです。
「冲は合を見よ」
が坤為地という六冲卦を、根底から覆すほどの「合」はどこにもございません。
いや、ある!
これか!
断易と周易を混同してはならない。
これはとくに諸学者にいわれている原則であります。
が、周易での倒卦という天地を逆様にして見ましたら、山地剥が、地雷復という六合卦に様変わりするではございませんか。
「ここの土地を得るためには、いままでの思考をガラリと変えてください」
相談者の目がギラッと輝きました。
そして、いそいそと帰り支度を始めたのです。
「ありがとうございます。今の言葉で気になることがありますから」
二日後。
「驚きました!」
その土地の反対側の左隣を司法書士にたのんで調べともらったところ、なんと知り合いの所有地だったことが判明したのでした。
「これでイキます!」
倒卦。
いまある状態を逆側から覗け。
断易はやはり魅力的な占いなのであります。