2022
04.14

銀行から帰る途中、藤の花が小雨に濡れておりました。
急いでいたのですが、ふと見入ってしまったのでございます。

どうして急いでいたのかと申しますと、田口二州(初代。以下同)の秘本が手に入ったからでした。
田口二州は、すでに故人でありますが、父親が日本橋で田口銀行を経営していたとかで、相当の大金持ちで、占いにかなりのお金を投じたお方であります。
秘本には、
「おセックスこそ、男女和合の基盤であり、その基盤の上に、円満な家庭も、平和な社会も築かれる」
と述べているのであります。

二州は、周易は二世高島徳右衛門、四柱推命は高木乗、断易は菊地靖典、手相、人相は小西久遠、姓名は熊崎健翁。小西は女性問題で警察に捕まったので、その高弟の大和田斉眼について習ったとか。しかし、二州は気学の大家として有名であります。

秘本については、おいおい語るとして、二州は、気学の創始者、園田真次郎直伝の筋金入りのお弟子さんであります。
書の中に、宗家の残した開運の秘伝が記されております。
抜粋しますと、
一、月給盗人に気学の効果なし
二、病者に開運なし
三、運気弱き者、貧乏人とは交際すべからず
などあり、二州はそこに「人間の持運の研究なり。その運を究明したら、気学の当たらないところが解決できる」と付け足しておりますです。

笑ってしまいました。

とくに三番目の、『運気弱き者、貧乏人とは交際すべからず』は名言ではないかとズバリと断言していて感心いたしました。

貧乏人の特徴は何かと考えますと、お金の使い方ではないかと。
お金にはいろいろな使い方がございますが、最終消費財への消費が多ければ、それだけ貧乏人になってしまいますです。
たとえばブランド品。たとえば食事。たとえばレジャー。
これらは、お金を使い放しであります。使い終わると虚しさしか残らず、貯金は目減りするだけでございます。
そーではなく、お金がお金を生むよーな使い方をしているお方は、自然にお金が増えていくはずであります。
例外はございますが。
しかし、お金を使う時、このお金は、何かを生み出す可能性があるかどうかで決めたほうがイイかもですね。

何を言いたいのでありましょー。
「高い講義料を支払って…」
に対しての反論かもしれませんです。

私メもそー思ったことはたびたびでありました。

が、最初の、経営能力の優れた師匠はこー語ったのであります。
「バカヤロー、神様しか知らなくてイイことを、医学部の学費より安い受講料で教えてやってんだぞ」
意訳しますと、人の知識とは、それだけの価値があるということなのでございましょーか。

とはいえ、田口二州は、占いのために家二軒ほどを使ったそーでございますです。