2022
07.18

老人ホームに入っている「片足組」のお方がら、
「サラダせんべいを食いたい」
との要望がございましたので、施設がそれほど遠くないこともあり、クルマを飛ばしたのでありました。
連休でしたが、道路はそれほど混んでおらず、ということは、海岸線の134に集まっているものと考えられました。

老人ホームとは、どーいうところかを見知っておきたい好奇心が刺激されたのであります。
私メは、
「ぜったいに入りたくない」
のでございますが、無理やり入れられるというケースも考えねばなりません。

老いは静かに傾斜するのではなく、ドンと音を立てていっきに深まるものだと思います。

問題は世話をしてくれるお女性の質。
鼻毛を伸ばしたオバさんはイヤであります。
また髭が伸び始めたオバさんのダメ

心は意地悪でもイイから、可愛いお女性を激求なのであります。
そしたら、カーナビが、「目的地周辺です」とアナウンスされました。

話は耳にしておりましたが、立派な老人ホームでありました。
若い男たちが、きびきびと働いておりました。

が、なかには入れず、面接も出来ず、サラダせんべいを手渡しただけでございました。

じつは、高校時代の大恩人の担任も、この春に、ついに老人ホームに入所したという知らせを貰っておりました。
クルマをかっぱらって東京までお女性と逃げて、そして事故を起こしたのに、私メはまったくのお咎めなし。担任や校長が暗躍していたとか。
お女性の通っていた高校は厳しい退学処分。

その処分の差別に、ずいぶんと抵抗したものですが、以後、「愛のために行動する男」というレッテルを貼られ、下級生なんかからラブレターを幾つも貰っているうちに、抵抗することも忘れたのであります。

そのお女性はその年の冬に再会しましたが、ハラボテでありました。
「オノちゃんの子じゃないから、安心して」
みたいなことを言われましたです。

あれから半世紀。
枯草のよーに元気な者も枯れ、想い出も風化していきますです。
もう担任にも会えないのか。片足組のジジイにも、この分だとこの世では会えずじまいになりそーであります。会うことも相当に残酷ですけどね。