2022
07.24

知らぬ間に、いつしか柚子の実が育っておりました。
秋には黄色い実となることでしょう。

でも、柚子の今は、今も大切でありましょう。

色づいた実となって、それが完成形だとしても、そこまでの成長過程も楽しいかもしれません。

とは言いましても、「では、お前は、過去のいつの時点に戻りたいのか?」と問われた時、
「いいえ、戻りたくはございません」
を答えにしそーであります。
たしかに過去を思い出すのは楽しゅうございます。色々な思い出で彩られております。
あの恋をもういちど体験してみたいという気持ちも強いのであります。

けれど、気持ちだけでありまして、じっさいには「二度と御免だ」が正直なところでございますです。

占いでも、過去を当てたところで無意味であるのと同じで、より良い未来の構築を考えることが大切でございます。
いずれはあの世へと滅びる身ではありますが、やはり、
「楽しかった…」
と満足して、事切れたいものであります。

無理な夢や、過去に対する後悔などを削ぎ落し、現実の姿となると、なんと貧弱でお粗末な自分であるかを見てしまいますが、これから台風や害虫や病気などから身を守り、健康で、自由を謳歌するためには最低限の資金は必要であります。
不幸な未来もまた、幻想であります。
幸福な未来もまた、幻想であります。

そして常に、今現在は不満だけが割合のほとんどを占めておるはずであります。

1日で5分間ほどの楽しさがあるか。
1日で1時間も楽しい時間があれば、それはしやわせでありましょう。
そのしやわせな時間を持続させることを考えることに鍵がありそーであります。

真夏の、カンカン照りの庭に立ち、まだ固い緑の柚子の実を見上げつつ考えるのでございました。