2022
11.26

また白鳥が、誰の許しを得たわけでもなくモリオカの池に飛来したのであります。シベリアからなのでしょーか。
春に北へと飛びゆき、冬に南下する。年に二度の大旅行というわけであります。

北海道の稚内にも、冬になるとウクライナからネエさま方が、出稼ぎに来ていたものでした。ロシア民謡酒場だったかで、さかんに踊ったりして、キムラ満夫として旅行していた私メもステージに引っ張り出され、その柔らかな胸を感じつつタカタカタカと足を踏み鳴らして踊ったのでありました。

と、書きますと、まるで友好的に感じるかもしれませんが、稚内にしばらく滞在するうちに、停泊しているロシア船籍が鉄条網のまきついたフェンスを超え、市街地に繰り出しレイプをしているというニュースを目の当たりにしたモノであります。
「一部の人たちなんでしょにねぇ」
と飲み屋のオバちゃん。
対してキムラ満夫は、
「いや全員でしょー」と答えたところで、ひどく泥酔していると気付いたりするのでありました。

そして猛吹雪の中、転んだり腿まで雪に埋まりつつ宿に帰るのでしたが、その宿というのが作業員専用の「緑荘(仮名)」。
入口の引き戸に鍵がかかっているのでした。
「出かけるなら行ってくれないと…とつかめっ面のオバさんに叱られ、翌朝などは、そのオバさんにこんどは、「みなさんはもう仕事でかけてるのに、あんたさまはこれからご朝食? いい御身分ですことね」と軽蔑した目つきで、ごはん茶碗を置かれるのでした。

白鳥から思い出に耽り話が逸れましたが、いや、これという本筋の話があるわけでもないので、逸れたってちっとも構わないのでありまして、いや、ただ白鳥もタイヘンですねと、それを申したかったのであります。

人間はもっとタイヘンで、国境とかを作ったのは、いつからかは定かではございませんけれど、渡り鳥はその点、自由といっては失礼でしょーが、人間よりは気が楽なよーな気がいたします。

白鳥は根拠もなく「美くしい」イメージですが、声だけは残念。
音痴な美人でしょーか。
オスもいるのにメスのイメージですね。