2022
12.28

モリオカの最終日は午後から老母のために2週間分の肥料をこしらえる時間に当てられるのでありました。
だいたい15品目。
ホウレンソウのおひきたしから始まり、ポテトサラダや八宝菜、蒸し鶏や、筑前煮、すき焼き風煮、そして鶏肉のそぼろなどなど。

数年前は5時間も要しましたが、最近は2時間ほどのスピードに上がりましたです。

先日は、
「あした、あんたの料理を食いに友達が集まるから」
というので、すこし多めにこしらえたのであります。
右の画像がソレ。
白身魚のフライであります。

「ともだちですと?」
老母は極端に人付き合いがございません…はず。
まさか他宗教の奴らでは。
オノ家の家訓の一つに『他宗教は入れず』なのは、以前申した通り。
祖父が死のひと月前に、親族を集め、それらを改めて伝えたのではあります。
しかし、老母は「へへん」と小ばかにし(そのヘヘンが胸に聞こえるのであります)、いまだに信じるのみならず、オノ家の仏壇を他宗教で穢しているのでございます。
とは言いつつも、その裏切り老母が、毎朝、たぶん私メが関東にいるときには、「息子の無事」を祈っているのでしょーから複雑な気分。

が、
「なーに近所の人たちが来るのさ」
一応、それを信用することにいたしました。

さて、ひととおり料理を作り、冷蔵庫に保存するよーにタッパーに詰めて重ねまして、いよいよ自分たちの食事であります。
しかし、もう満腹というか、料理にあてられて食えないのでございます。
学生の自分、高島屋の食堂で皿洗いのバイトをした時に、まかない料理を出された時も同じでありました。

「もはいは」(もういりません)
と、自室に戻り、関東にかえる準備にうつるのでありました。

2022
12.27

今回のモリオカは疲れました~

東京へ向かう新幹線で、指がしくしくと疼くのであります。
炊事洗濯掃除に雪かきで指を酷使したのかもしれません。

そーいえば、体はホカホカと暖かくても、指先が妙に冷えまして、股間で温めようかとも思ったほどであります。
いつなく長風呂にして、やっと指の骨がじんわりと痛いよーに暖まってくるのでありました。

指は、恋愛の最初から最後までのサインをする部所かもしれませんです。
相手の手に指を触れるところから恋のスイッチが入るのであります。
だいたいにして恋の初段階において、相手の指がいとおしいほどに美しく感じられたりいたします。
太い指とか細い指とか、ささくれている場合でも、それはそれでいとおしいく感じられるのでございます。
そーして指は、恋が深まるにつれて重要で意味深な働きをすることは、申すまでもないことなのであります。
5指はそれぞれに活躍する機能があることを、恋が教えてくれるのでございます。
相手を否定する最初の発見は、その相手の指が汚く感じるのであります。
否定が嫌悪に広がると、もう、
「その指で触らないで!」
口走ってしまうのであります。
触れられると怖気がはしることもあるのでしょう。

やがて、二人は「ばいばい」と指でサヨナラをして、恋は終止符を打つ。

それにしても、
「私メの指も、ずいぶんとしなびたことよ~」
嫌になってしまいますです。

2022
12.26

私メの寝室は屋根裏なのであります。
断熱材はキチンと入れているのですが、寒さがダイレクトに凍みるのでしょー。

そのうえ睡眠時は暖房を切るタイプですから、寝室は朝ともなればそうとうな冷え込み。
でも今朝は、天窓にキレイな氷の花が張っていたのであります。

「懐かしい~」
ベッドから、咲いた花をしばし魅入ったものでございますです。

いまは二重サッシなどですから、よほどのことがないと氷の花をみることはできません。

昔なら、冬場であれば毎日のよーに窓に、気温によっていろいろな氷が咲いたものでありまして、爪でカリカリと削る楽しみもございましたです。
「やはり冬はヨイ…」

ふと昨夜を思い出しました。
繁華街をブラついていたのですが、急に差し込みが襲ってまいりました。
「やばいぞ…」
そこで街角の小さなホテルがございましたので、宿泊客だという態度で堂々とロビーに入りまして、目だけはトイレの場所を探しました。
ございました。
コートのなかではすでにボタンをはずし、すぐさま排泄できる準備は整っておりました。
堂々たる態度はトイレのドアまでで、あとは猛ダッシュ。
おそらく我慢筋を使ったためにパンツは汗シミが縦に走っていたはず。
それでもコートにウンコが飛び散らぬよーに、相撲取りがまわしの前についているヒラヒラのさがりを左右に分けて蹲踞するよーに、コートをたくし上げて便座に。

「ギャッ!」
飛び上がらんばかりの冷たさでありました。
今時! それも冬のモリオカで!
「便座に暖かい電気をつけていないのか!」

しかも、ウォシュレットが氷水。
アナルが痛いのであります。

そんな昨夜のことを思い出し、寝室の暖房のスイッチを入れたのでございます。