2023
04.14

モリオカのしょぼい名物に、「石割桜」がございます。
今年は2、3週間早く満開になったとか。

が、この桜は、すでに寿命をはるかに超えておりまして、毎年、注射で栄養を補給するなどして延命している死にぞこないの老木なのでございます。
「おばあちゃんは何歳?」
TVのリポーターが、クソ婆ァの目の高さまでしゃがみこんで、マイクを向け、
「百五歳」
などと答えさせる画を連想いたしますです。
だれか、夜に来て電動鋸で根元から切ってあげるよーな奇特なお方はいないかと毎年、この時期になると思うのでございます。

しかし、桜よりも哀れなのが、石。
だいたいにして石ではなく、岩と表現するのが適当でございましょう。
しかも、この岩に同情するお方は皆無でして、
「桜のよーに、この固い岩を割って伸びていくんだよ」
と、青少年の精神育成のための悪者にされているのが、岩なのでございます。
メーカーの若造にバカにされている下請けの社員のよーでございます。
お手伝いの婆や役に落とされた岸本加代子のよーであります。もしくは下腹部が出始めステージ衣装がキツキツになった不幸臭いぷんぷんの角川博か。

そんな岩に同情し、手を当てて、「わかるわかる、辛いよなぁ」と落涙したら、どんなに、この石割桜の岩が喜ぶことか。
「このお礼は、いずれ開運という形でさせてもらいます」
きっと岩の恩返しが期待されることでありましょー。

とにかく世間と同じ目線でいては、不幸になるばかりでございます。

石割桜の桜、見る価値はございませんから、モリオカなどには行かなくて大丈夫でございます。
冷麺も、じゃじゃ麺も大したことはありませんから。
ぜったいに来ないでくださいまし。