2017
10.03

都内にはいにしえの東京の面影がまだまだ残っておりまして、
「おお、当時のままだ」
と思わずパシャリとしたのは、お茶の水の構内でありました。

2020年を目指し、急速に地下鉄駅がオヒャレになっておりますが、古さもまたイイのであります。

鷲尾先生の断易教室は八丁堀にございまして、その厳しさと難しさに、私メは「鷲尾道場」と心で呼んでおりました。

「断易のセンスがないよ、オノくんには」
とか
「思考に放浪性があるんだよな、オノくんは」
とか
「そろそろ諦めた方がいいね、断易は」
とか、さんざんにヤラれまして、二時間半の講義を終えるたびに、自分の力のなさに愕然としたものであります。

そんな私メをやさしく慰めてくれたのが八十歳の老婦人でありました。
彼女が、株占の達人として有名だったことを後で知ることになるのでしたが、ご自宅の相模原まで一緒に帰ったものであります。
私メは調布に住んでおりました。

八丁堀の道場から地下鉄の御徒町あたりで地上に出て、昭和通りを少し歩き秋葉原駅からJR。
そしてお茶の水で乗り換え新宿で京王線に乗るのでありました。

当時、京王線は都営地下鉄線と乗り入れしておりませんでしたから、こういう複雑なルートを取ったのであります。

調布駅で降りるまで、老婦人に、その日の断易のポイントを教えられ、
「大丈夫よ、ほんとは鷲尾先生はあなたに期待しているんだから」
気休めでも、なんとなく嬉しくなったのでありまして、愚かな希望を抱くのですが、
「また来ましたね、どーぞお引き取り下さい」
と次の講義で先生にヤラれるのでありました。

この駅のホームに立つたびに、1980年代の思い出に溺れるのであります。

よくぞ断易をマスターできたものだと感心いたします。
十傳スクールで、鷲尾先生の解釈のミスを発見することもございますです。
「先生、お引き取り下さい」
ニヤリといたします。

株占の老婦人は先日、ご高齢でなくなりました。
あの頃、彼女は80歳より若かった勘定になりますです。

  1. 先生の体の不調は、この世を去ろうとしている老婦人の影響かもしれませんね
    心根の優しい先生のところへ お別れと共に
    縋りたい気持ちが 先生に 「 眩暈 」を起こさせたのでしょう
    以前、友人が先生の足に縋ったように
    やはり 10月、不幸なできごとがありましたね
    その老婦人は 人を見る目があったのではないでしょうか
    単に慰めていたのではなく
    いずれ 小野先生は優れた占い師になると分っていたのでしょう
    占い師として成功した今の先生の姿を見て
    誰よりも喜んでいるのは その老婦人かもしれませんね
    どうか 心安らかでありますように
    先生はもう大丈夫なのですか
    無理をしなくてはいけないのは分りますが大切なお躰
    大事になさって下さい

    ●十傳より→師から伝授されたものを未来に伝えるのが私メの役割なのであります。体調が悪いからと甘えたことを理由に、それを放棄すれば、ただの生きる肉塊に過ぎませぬ。吸った空気も、食った食物も、生存のために犠牲にした者共いっさいが、いっきに復讐にかかることでありましょう。

  2. 仕事に使命感と・誇りとプライドを持つ
    先生を見ていて そう思いますし、自分がいかに甘いか思い知らされます
    私も仕事を決して休みません
    どんなに具合が悪くても フラフラ でも、責任がありますので出勤します
    どうしても辛い時は少し床に横たわり、そしてまた仕事を開始します
    ただ、なにより辛かったのは「母」が危篤のときでした
    これは以前にも話したことだとは思いますが
    悪いことにその日は、お客様に送る書類を作成しなくてはならなかったのです
    お客様は午後から お役所立ち合いの検査があり
    その書類が「ありません」は 決して許されない話です
    私は朝早く社長の自宅へ行き事情を説明し、事務所を開けてもらい仕事にかかりました
    止めどもなく流れてくる涙で霞むパソコンの画面に向かい
    必死に作業を進めて行きました
    書類をお客様へ送り、急いで車で片道50分先にある病院へと向かっていると
    「もう、慌てて来なくてもいいよ」 と兄からの電話が
    私に限らず責任ある立場の人たちは 多かれ少なかれコノような経験をするものでしょう
    先生の講義は、健康な状態でもキツイもの
    それを具合の悪い体で最後まで務められました
    気力と使命感、これがもう一つの杖となったのでしょうね
    そして、倒れるのを食い止めてくれた 「神様・仏様」に感謝します

    ●十傳より→そんな大げさではないのですが。

  3. お!タイムリーな
    ちょうど、先生に鑑定依頼を頼もうかどうか考えてたんです

      ●十傳より→ですか!

  4. コメントするのは初めてです。いつも拝読させていただいています。今日のブログ記事は気になるキーワードがたくさんあり、思わず書き込みいたしました。先生が昔、調布にお住まいだったとは存じ上げませんでした。いつか断易を習いたくてうずうずしています。そんななか、「株占」なるものがあるとのこと!びっくりです。自分相場を張っていまして株占も興味があります。老婦人がお亡くなりになられてしまったとのこと、もし御存命なら習ってみたかったです。奇門遁甲も‥‥体がいくらあっても足りません。

      ●十傳より→老婦人が株占に入ると、目玉が灰色に変化するのでした。品の良さがめらめらと剥がれ、吸血姫のような雰囲気になるのでありました。体は一つ、頭を七つにすればイイのであります。