05.06
夜のタクシーで東京を走るのが好きなのであります。
出来れば、無口の運転手が有難いのであります。
いつものよーに……いえいえ、たまになのですが、神楽坂でタクシーを拾いまして、
「青山のあたりまで」
白髪の運転手でありました。
小雨が降りだしました。
抜け弁天をとおり、新宿の明治通りに出たあたりで、何気なく運転者の氏名のプレートが目に入りましたです。
《岩淵》
とありました。
えっ、あっ、下の名前はというとHであります。
高校時代の級友の名前でございます。
おそるおそる後ろから横顔をのぞきました。
高い鼻梁と絶壁頭。
白髪を空想で黒くしましたら、間違いありませぬ。
イワブチくんなのであります。
声をかけようとして、やめました。
イワブチくんは、フォークシンガーを目指して上京したことを思い出したからであります。学園祭ではスターでした。私メが詩を書いた「♡ムズムズ」に曲を作り、「♪むずむず、むずむず、むずむずむずむずハートがむずむず、眠れない、眠れない、おまえひとりに、むずむずむずむず~♪」とバカみたいにのったのでございました。
ヤマハの音楽祭では予選落ちでありましたけれど。
モリオカ駅のホームで「ばんざーい、ばんざーい」と送り出したことまで思い出したのでありました。
目標の着地点とは、ずいぶん離れた場所に降りたんだね。
それは自分自身にも言えることであります。
「ここでいい」
料金を支払い、レシートをイワブチくんは体をねじって渡してくれました。黄色い目がちと充血しておりました。
私メに気づいた様子はまったくございませぬ。
窓ガラスにちらっと視線を走らせただけでありました。
去っていくタクシーを見送りながら、
「どーうして久美ちゃんと別れたんだ」
人生も運命も魅力的なまでに悲しく淋しくドラマティックでございますです。
ギュッとしますですね。私も故郷を離れ早幾星霜…戻っても、幼い頃に住んでいた場所には立ち寄らず、異訪人のふりをしております。ある時にかつての恋人とすれ違いましたが、彼の方は一切気付かず、通り過ぎて行きました。アル中の父親はまだ生きているのかだけを知りたいと思いましたが、振り返ることすらいたしませんでした。あの後からは何度帰省しても、なぜか会合しないのでございます。
●十傳より→旧友と会話しても退屈なだけであります。
先生の再会率は高いですね
自分などは小中高のクラスメイトにすら
会うことありません
まあ、互いの黒歴史を刺激することもなので
いいのですが
●十傳より→今年になってから妙に多いのです。そろそろお陀仏の前触れかもであります。
着地点が思ったところと違いすぎた私なんですけれど、先生が作成された上半期カレンダーまだ販売していますでしょうか?
●十傳より→上半期分は終了してしまいました。
すみません。有難うございました。
●十傳より→いえいえ、どーもです。
手持ちのをコピーしてお分けするって手も …
●十傳より→誰がですか。
著作権があるからほかの人は出来ません
●十傳より→私メもコピーは渡せませんです。
着地すらしていない自分は一体…。
いっそのこと、三途の川にダイブしようかと思ったりします…が、実際にはやりませんよ。
(何かあったらそれは、自殺に見せかけた他殺です。)
全然関係ないのですが、昨日、川の中を歩く人々の夢を見ました。
●十傳より→水の夢はおしっこしたしたいか欲情の現れてありますです。
確かに、いつもより起きるのが遅かったかなと。
火山が噴火して大変なことになっているようなので、誰かの訃報とか、そういう意味だったらどうしようと、ビビりました。
子供の頃は、毎年誰かさんの命日前に、刃物男に追いかけられる夢を見ていたり。
夢占いセミナーとか、本とか、あったら面白そうだなーと…まあ、独り言です。
●十傳より→夢は楽しい世界でありますです。
♡ムズムズ
むずむずむずむず
・・・・ほんと、アホですよね。笑いが止まりません。
たまらなく好きです。こーゆーの。
私の作詞作曲も何曲かありますので、今度聴いてください。
●十傳より→♪のっこりとたれよう、ぼん糞たれよう、周りにべっとり、くっつけないよーに上手にたれましょう、太い糞~♪というのもございますです。
あーあ、もう「のっこり」が頭にこびりついて離れない。
こーゆーのって、絶対に思い出しちゃいけない時に、ふわっと浮かんでくるんですよね。
葬儀の最中とか、アレの最中とか。
●十傳より→いつでも思い出してくださいまし。
♬ 俺たちゃみんなカタツムリ 殻を背負って生きている
一所懸命やったとて 所詮俺たちゃカタツムリ …
社会にセンセーショナルを与える内容じゃないと無理かもしれませんね
特にフォークは
●十傳より→フォークなんですね。
ニュー・ミュージックはほぼ歌謡曲、と思ってます
ゼニカネ目当ての
●十傳より→暴力団の資金源で、それは北に渡るのだと固く信じておりますです。