11.26
また白鳥が、誰の許しを得たわけでもなくモリオカの池に飛来したのであります。シベリアからなのでしょーか。
春に北へと飛びゆき、冬に南下する。年に二度の大旅行というわけであります。
北海道の稚内にも、冬になるとウクライナからネエさま方が、出稼ぎに来ていたものでした。ロシア民謡酒場だったかで、さかんに踊ったりして、キムラ満夫として旅行していた私メもステージに引っ張り出され、その柔らかな胸を感じつつタカタカタカと足を踏み鳴らして踊ったのでありました。
と、書きますと、まるで友好的に感じるかもしれませんが、稚内にしばらく滞在するうちに、停泊しているロシア船籍が鉄条網のまきついたフェンスを超え、市街地に繰り出しレイプをしているというニュースを目の当たりにしたモノであります。
「一部の人たちなんでしょにねぇ」
と飲み屋のオバちゃん。
対してキムラ満夫は、
「いや全員でしょー」と答えたところで、ひどく泥酔していると気付いたりするのでありました。
そして猛吹雪の中、転んだり腿まで雪に埋まりつつ宿に帰るのでしたが、その宿というのが作業員専用の「緑荘(仮名)」。
入口の引き戸に鍵がかかっているのでした。
「出かけるなら行ってくれないと…とつかめっ面のオバさんに叱られ、翌朝などは、そのオバさんにこんどは、「みなさんはもう仕事でかけてるのに、あんたさまはこれからご朝食? いい御身分ですことね」と軽蔑した目つきで、ごはん茶碗を置かれるのでした。
白鳥から思い出に耽り話が逸れましたが、いや、これという本筋の話があるわけでもないので、逸れたってちっとも構わないのでありまして、いや、ただ白鳥もタイヘンですねと、それを申したかったのであります。
人間はもっとタイヘンで、国境とかを作ったのは、いつからかは定かではございませんけれど、渡り鳥はその点、自由といっては失礼でしょーが、人間よりは気が楽なよーな気がいたします。
白鳥は根拠もなく「美くしい」イメージですが、声だけは残念。
音痴な美人でしょーか。
オスもいるのにメスのイメージですね。
白鳥も 結構凶暴だったりしますぜ。
いつだったか、公園で池のスケッチをしていたら
いつの間にか後ろにまわっていた白鳥にクチバシで頭をどつかれ
手に持っていたパステルを食べられてしまいました。
逃げたら 追いかけてきましたです。
目つきの悪い白鳥で、地元では有名だと。。。
●十傳より→人間が勝手に抱いたイメージは、じつは大変な勘違いとして害を受けたりしますですね。
それ以来、白鳥コワイ。
先生、渡鳥インフルにお気をつけてくださいませ!
●十傳より→気を付けてもですね…。
実家の池の鯉
どうした訳か今年、初めて何匹もの鯉の稚魚が誕生したのです
「あらら、どうしよう、こんなに狭い池で多くの稚魚が」
実家の兄は「どうすべ」と試案に暮れていたようですが
暫くはそのまま、金色や黒・その他の色をまとった
子鯉達を見守る事にしたようです
そしてあるお昼休み
実家へワンコの世話をしに行った際、池のある裏庭に行くと
「バサバサ」と羽音を立て、大きなサギ鳥が池から飛び立ったのです
相手も驚いたかもしれませんが、ナヌナヌとビックリこいた私
どうやら サギ鳥は
金魚すくいの金魚の3倍程度の大きさに成長した子鯉を狙ってきたよう
この大きなサギ鳥にとっては最高の猟場だったのでしょう
一日と経たず、子鯉の全てはサギ鳥の胃袋に納められたようです
その後、兄は子鯉が居なくなった池を眺め
安堵とガッカリ感が入り混じった複雑な、モンモンとした想いでいたようです。
その姿と異なるサギ鳥の ギイァ ギイァという擬音
「ヨ-ロレイティ~」
スイスの山々に響き渡るような美声だったら
白鳥を超える人気鳥になっていたかもしれませんね
●十傳より→自然界のオキテでしょーか。