2011
04.03

 三宮の港から、お船に乗って大分港までの、切ない海の船の旅でありました。

原発による放射能からの避難というより、TVでの「みんなで頑張ろう!」とか『日本を信じてる」などの迷惑情報からの避難です。

おととい、映画グランブルーをみて、集団行動しかできない日本人の愚かさが撮影されていたのに苦笑して、突如、一人旅行を思いたったのでありました。

デッキにでると強い風なのであります。

頭上には満点の星。
なかなかのものであります。
20ノットにもみたない、じつにゆっくりとした速度でして、大分港には翌朝の七時過ぎに着くとか。

関西の派手な美人がたくさん同乗しているのが、心を豊かにしてくれるのでありました。

切ない海までくると、もう原発事故も震災も、なかったかのようであります。
やはり私は私です。
「力を合わせて頑張ろう!」
という世界には住むことはできません。

釜石や大船渡など、どこでもいいから震災の風景をそのまま保存して欲しいものだとおもうのであります。ポンペイの遺跡のように。
震災の、あの見事なまでの美しさを失うことはじつにもったいないのであります。

なかなかいい部屋なのであります。

二等キャビンなのでありますが、この狭さが気持ちを落ち着かせますです。

なにか思索に耽るにはちょうどいいのでありますが、
「さあ、なにかを考えよう」
とおもっても、ロビーでながめた関西美人の顔々が脳裏をよぎるばかりで、思索の邪魔をするのでありました。