2011
07.23

東京に住んでいた頃、年に一度は海水浴に海にきていました。
それが7月であれ、東京に戻ると、心なしか秋を感じたものでした。

それと同じような秋を感じさせる日が続いています。
いや、じじつ、浜には無数のトンボがとんでいるのです。先週までは見かけなかった風景であります。

いちやにして季節が秋になったような、そんな気がいたします。

どんなに素敵な女の子とつきあっていても、不意に恋情がさめる一瞬があります。
ドライブをしていて「ちょっと電話してくる」と車から降りた女の子を、目で追いながら、彼女が公衆電話で会話している後姿をながめたとたんに、「オレは何をしているのだ」と熱情の冷えたことをおもいだしました。
そこで、冷えたままで終わるのか、それともふたたび彼女への想いが熱くせり上がってくるのかは、ケース・バイ・ケース。
けれど、真夏の真ん中の涼しさのような、恋のエアポケットっつうものがあるのは事実でありますね。

ここは茅ヶ崎のはずれ。平塚との境にちかいスポットであります。ここまでくれば、もう観光客の姿はまばら。
「海の底が変わっちまってるよ」
などと地元のサーファーが語り合ったりしております。

ところで、心が冷める一瞬を、記憶をほじくり返しておもいだしますと、
●お金を支払う姿
●エレベーターを待っている時の姿
●別れてから電車にのっている時の姿
●待ち合わせで人を待っている時の姿
などでありましょうか。
ごくごく普通の姿なのでありますけれど、おそらく、その普通の姿から、なにやら他人のようなエゴっぽいモノを感じ取ったのでありましょう。
ちがうのかもしれません。
よく分かりません。

不協和音をききとったことだけは確かなのであります。

真夏の真ん中の涼しさ。
恋が途切れる刹那を思い出させる涼しさであります。