2011
09.03

福本銭の準備はちゃくちゃくと進んでいるのであります。

朝から紙を寸法通りに断裁し、それを所定の手順で折りまして、そういう手作業をつづけて、昼過ぎには、この表情でございます。

「こんなに作って欲張りねぇ」
って笑われそうでございますが、万が一、大量注文のあったときのことを考えているのであります。
もっと万が一、百万枚のご注文があったときはどーしようかと、そのときはこの作業が延々と続くのであろうかとゾッとしているのであります。

まるで学生の文化祭のまえのような雰囲気。
違うのは孤独な作業ということ。

スケベなことを考えつつヤレばイイのでしょうが、そういう気分にもならないのでございます。

肩こりをしないタチなのでありますが、代わりに指先がつってしまって、ときどき冷やしたタオルで指を休めたりするのでありました。

窓の外では、台風の影響か、おもいだしたように雨が激しく降り、かとおもうとカッと太陽が照りつけたりいたしまして、映画「タイムマシン」で街のショーウィンドーがめまぐるしく変化していたように、この移り変わりのきょくたんな天候はまるで時間旅行をしているみたいなのであります。

外に出たら知らない人々がうろうろし、はっと気づいたら私メも白髪の老人になっているのではないかという奇妙な妄想に堕ちていくのでございますです。