2011
09.26
09.26
なんとなく立ち寄った小さな書店で、ふと「マッチ売りの少女」の童話を手に取ったのであります。
久しぶりの立ち読みでした。
読み終わったら、まわりの風景がちがうように感じられました。
悲しい物語が、なんと心にあたたかさを与えるのでありましょうか。
世の中は、マイナー志向は良くない。プラス志向で生きることが大切だと言われております。
プラス思考とはどういうことなのかと考えると、「諦めない」とか「頑張れ」というヤツでありましょう。お笑い芸人のゲタゲタ笑いもプラス志向であるとおもいますです。
けれど、ブラス志向は疲れるのであります。
ついていけないというのが正直であります。
ヘトヘトになったとき「ほら、栄養をつけろ」と肉を差し出されてもカラダがうけつけませぬ。
私メのお客様は、どこか心を病んでいる人がほとんどであります。
でも、明るく振る舞おうとして、無理に笑おうといたします。
笑うことことが幸運を迎えるための条件のように、笑うのであります。
しかし、そのうちに泣きだすのであります。
とうぜん易者である私メもそうとうに気が狂っているはずなのであります。
お笑い芸人の声を聞いただけで、心を逆なでされたようなイヤな気持ちになるのは、たぶん、病んでいる証拠でありましょう。
悲しいときに悲しい物語や、悲しい歌が、心をあたためてくれるのは、そういう悲しみは、栄養はないけれど、暖かなお粥をすするようなものだからかもしれませんです。
こう、しみじみするのは、秋風がふく季節になったからでありましょうか…。