2012
03.22

神田を歩きますと、このような濠に出るのでありますが、このありさまでありますです。

これが、日本人の正体であるなぁと、つくづくイヤになるのでございますです。
東京オリンピックのために高速道路が建設され、誰が考えたのか、お濠をこのような無残な景観にかえ、東京を世界でも数少ない醜い街にしてしまったのでございますです。

この高架がなければ、どんなにか東京の街は美しいでありましょうか。

おそらく舟などを浮かべ、季節の花々をお濠から眺めることができたはずであります。

そのようなことを思いつつ、早春の神田界隈をそぞろ歩いたのでございますです。

すると、「へぇ、こんなところに少年画報社があったのか」と、なつかしい発見をいたしたのでございます。

私メが小学生の頃、月刊「少年画報」というマンガ雑誌がございまして、七大付録とかがあり、胸をときめかして発売日を待ったものでございました。
辻なおきの「ゼロ戦はやと」とか戦記物が面白かったような記憶がございますです。
少年画報のほかに、「ぼくら」とか「冒険王」、「少年」もありましたのでございました。

たしか手塚治虫の鉄腕アトムは「少年」に連載していたかと思いますが、定かではありません。
手塚治虫のマンガは好みじゃなかったので、「少年」はほとんど読みませんでした。

まぁ、小学生の心をトキめかしたマンガ雑誌が、このようなところで作られていたのかとおもうと、感慨もひとしおなのであります。

神田を訪れたのは、先のラーメン屋の姉妹店が、水道橋のほうにあるはずであったからでした。

そして、その店はありました。
オヤジも頭を白くさせたくらいにして健在でございました。

このラーメンの下には煮卵がサービスとして隠されておりますです。
そして他のお客には、ないしょで餃子までふるまわれました。

しかし、お客というものは目ざといもので、ちらちらと別のお皿の餃子を盗みみられたのでございますです。

高架によってダメになった負の遺産であるお濠のことも、すっかり忘れ、オヤジとしばし昔がたりに時を費やしたのでございました。
「まぁまぁ」
と奥さんも割烹着姿で現れましてあたたかい時間が流れたのでございますです

牡羊座の最初の日。
なかなか良い日でありました。