2012
05.26

占いの師匠から言われたことがございますです。
「占いを仕事にするなら、近所ではイイ人だ褒められるように心掛けなさい。外で暴言を吐こうがかまわないら」
このひと言でしたが、なかなか実行は難しいモノであります。

湘南にはマボロシのラーメンというものがございまして、まぁそれは「城門ラーメンなのでありますが、いちど潰れて、近年に復活し、辻堂と茅ケ崎の一軒ずつございます。

その一軒の、電柱に、このような注意書きがあったのであります。

ああ、この店も長くはいのではないだろうかという予感に襲われました。

つまり、この注意書きは、隣の店とのトラブルを暗に物語っておりますです。
ゴミや煙草の吸殻を捨てるな、とだけ記せばいいものを 「こちらのラーメン店が濡れ衣を着せられます」の一文に、すべての状況を読みとることができるのであります。

さらに店が繁盛しているときは、このような看板は出しませぬ。ニコニコ顔でゴミや吸殻の掃除をするでありましょう。

案の定でありました。
以前は650円だった城門ラーメンが値上がりして750円。
しかも麺の質が落ち、味も微妙にダメになっていたのでございます。
料理屋が素材や味を落とせば末路は知れております。

恋も同様であります。
「あの人大嫌い」「キモイ部長がいるのよ」
と、つい恋人に愚痴をいいたくなるものでありますよね。

それはそれで仕方ありませんが、眉を寄せてしかめっ面を作っては、男はその顔をする内面の素顔を見た気分にさせられるのでありますです。

友達の悪口を言いながら悔し涙をながすケースもございますです。
これは危険でございます。
「友達ってキミの味方じゃないの?」
なんてたしなめると、火に油を注いだごとく、逆上するのであります。

愛しているお女性はいつも笑顔でいてもらいたいのであります。

もしも、男が感情的になって上司や部下の悪口を吐露したら「ウツワの小さな男」と思うではありませぬか。

しかめっ面の不平不満のお女性を快楽に誘い、鬼のように官能をむさぼる平和な形相に変えるのは、男にとって無上の悦びではありますが、心は違いますです。
「やさしいお女性はどこにいるのだろうか……」
と放埓な肢体で仰臥したお女性をみおろしながら思ったりするのでありましょう。

誰かを非難するときには、ジョークというオブラートにまとうことを忘れないこと。
これが大切な基本姿勢でございますですよ。

味の落ちた城門ラーメンの、どこに、その味が落ちた原因があるのかと調べつつ、結局は完食。

それでも「不味くなったね」という適切な評価は忘れずに伝えたのでありました。