2012
07.08

ちきしょう! こういうカップルを目撃したのであります。

尖閣諸島問題で、中国や台湾と火花を散らすかもしれぬときに、かような愛の表現を許していいものか…。
ひじょうに、ちきしょうめ! なのでありますです。

ずっと二人は手を握りあい、目を見つめ合わせていたのであります。
二人にとって時間はまたたくまに過ぎているのでありましょう。
「いけない、もうこんな時間…!」
などと、ほざくのでございましょう。

私メとおそらく同年輩であろうハゲ親爺は目のやり場に困っておりました。
「今だげだべ。やがてはオラのようになるんだでゃ」とでも言いたげに、が、どこか激しいほどに羨ましくて「髪さえあれば…」と若き日々を懐かしんでいるのでありましょうか。

眩しいくらいに健康的な愛なのであります。

誰でもいちどは通り過ぎるぜいたくなひとときでございます。
過ぎてから気づく絢爛たる愛が、いまこに苦しく燃えているのであります。
二人のあいだには、真っ赤な濃密な空気が、肉眼ではみえませぬが、たしかに存在しているのであります。

罪という意識でしか発火しなくなった我が心とはことなる、聖なるふたりでございました。

憲兵隊よ、この男をただちに前線に連れて行け!
と叫びたいほどに美しい姿でございました。

これが藤沢駅ビルでのことでありました。

自宅に戻りましたらば、カメ子がことし二度目の産卵をしておりました。
「あたいもひとりだよ」
と言いたげに、首を水槽からニョキリと持ち上げていたのでございます。

15個の無精卵を、お桃ちゃんにうずめてみたのでございます。

次の月経の到来をドキドキして不安に待つのも、無駄に毎月の生理を迎えるのも、そのどちらがよろしいのでありましょうか。

紫蘇入り餃子の効き目がやわらいだせいか、さきほどのカップルの画像をみても、もはや劣情にさいなまれることも失われているのでございますです。