07.14
部屋でダレていたので、イヌを連れだしたのであります。
ダレていたのは私メではございません。
ロメオとジョルノでありました。
が、そとは蒸し暑く、かすかに磯の臭いがまじっているのでありました。
携帯二台とデジカメをポケットにつっこみ、二匹のリードを左右に引いていましたので、歩きにくいのであります。
いやいや、じつはおパンツをはかずに、スポーツ用のショートをじかに付けていましたので、カタチが浮き出てしまうのであります。
股間に黒いヤモリが貼りついたようなカタチでありました。
すれ違うオバちゃんは、まず最初に、膨れ上がったポケットに、そして中央を凝視するのが分かるのでありました。
「もう帰ろう!」
そうロメオがいささか迷惑そうに仰ぎみるのであります。
「まだ歩かせるのか」というように。
いつもと同じコースなので、イヌたちも、どの角で曲がるのか心得ていまして、いやそれどころか近道を本能的に知っているようであります。
いつもの角の手前で、しきりに曲がろうとして、早く早くというように帰りたがるのでございます。
まるでラブホの帰り道の男のようでありました。
早く駅で一人になりたい、ってな感じであります。
イヌの方向感覚はなかなか優れているようで感心したのでございます。
どれほど暑いのかと、かがんでみましたが、アスファルトの照り返しはそれほどでもございません。
やはり蒸し暑さが、イヌたちにこたえているようなのでした。
冷たいシャワーで体全体を涼ませ、ついでにシャンプーをして散歩はおしまい。
私メも汗で大変でございました。
ラブホの帰りに「酒でも飲むか」なんて誘うのは私メくらいなものだと驚かれたことがありましたけれど、たしかに以前はそうではなかつたかもなぁ、などと股間を扇風機にあてて、恥ずかしい若き日々を思い出したりするのでございました。
「行きはよいよい、帰りはこわい」という唄は、ラブホソングかもしれませんですね。