2012
08.07

調布に住んでいた頃の、ご近所さんが、今夏もいらしたのでありました。

というか、「便利、便利」というところでありましょう。
浜までクルマで送り迎え、そしてシャワー付き、ビールもワインも飲み放題とあっては、利用しない手はないのでございましょう。

私メとしても、別に苦痛ではありませぬ。
翌日、砂だらけのバスルームに腕組みはいたしますけれど。

が、ことしはオリンピック。
彼らは、これを観賞するのであります。
前夜のゲームのヤツを夢中で見るのであります。
それをニコヤカに眺めてはおります。
しかし、
「猿ども、負けてしまえ!」
「ドプスなど死んでしまえ! 日本に水爆を投下してもいいぞ!」
「負けたら首をくくれ!」
と心のなかで叫んでいるのでありますけれど、それを、
「ああ、惜しい!」
「もう少しなのに…」
などと心を偽るのもタイヘンでありますです。

まぁでも、一年ぶりの再会でして、若かった亭主もすでに二人のおじいさん。
若かった娘夫婦もなんとなくドズンでいるのであります。
いやいや夫は家庭を放棄して離婚したとか。
「じゃあ、おじいさんであり、お父さん代わりもするんですかぁ、はぁ」
「仕方ないよね」
活発なのは、その二人のお孫。

これが実に可愛い女の子なのであります。
「ここに住んでもイイ?」
なんて聞かれて、いいよいいよ、ほしいものをなんでも買ってあげるから、などと目尻を下げてしまうのでございます。

ロメオはあまりの賑やかさに驚いて私メの書斎に退避するのでございました。