2012
10.20

火傷をしたのでありました。
水ぶくれができておりますです。

沸騰した薬缶に触れたためでありました。

こんな場所に……と、その火傷をした部分に注目するのが、この稼業の業とでもいうのでありましょうか。

薬指の第一関節。
薬指というのは、太陽丘に根差す指であり、したがって解釈は、太陽丘の意味を吟味するコトになりますです。

さすれば芸術と富、人気について何やら変化があるのかもしれず、火傷はその予兆と判断できまする。

これは手相の古い原書であります。
「手相のお勉強」というタイトル。

ちと古い例なのでありますが、手相のすべてが記されているので、重宝しておりますです。
暇をみつけて訳しておりました。
とつぜんにフランス語で書かれたりしておりまして、翻訳には手間がかかりました。
どの出版社からもオファーはございませぬ。
教えていないからかもしれませんけど。

さてさて、薬指の第一関節は……。

なになに、第三関節、つまり手のひらに近い部分は、
「この部分が長いほど幸運や成功を暗示する」
ちがう、第一関節が問題なのであります。

「第二関節が、肥大していると実利的な芸術で成功します」

ちがう、知りたいのは第一関節だでば。

「第一関節が……」
そう、コレでありますです。

「この部分が普通以上に長いと、芸術や美術の分野で高尚さを表します」
ちと知りたいこととは違いますです。

「また、肥大した指頭になっていると官能的な傾向があらわれ、肉欲の強い人です」
指頭ではありませぬが、水ぶくれで、一時的に肥大しているといえば、それに準じるかもしれませぬ。
いや、ソレに相違ありませんでしょう。

じじつ、ちと、そういう気分であることは否定しきれませぬ。

が、火傷はキズでありますから、その肉欲が危険サインということになりますです。

つまり女難の相。

アブナイ、アブナイ。

今日明日はおとなしく仕事をするに限るのでありますです。

火傷ひとつで、ずいぶんと楽しめましたのでありますです。