2012
10.26

へんぽんと晩秋の雲は東北の空に浮かんでおりました。
新幹線は一路、北へと向かうのであります。

飛び乗った私メは、しばし、うとうとと車窓の流れをながめておったのであります。

すると50代の男と30代…いや40代のお女性が大宮から乗り込んで来たのでございます。
水商売のお女性と直感いたしまして、嬉しくなったのであります。
まず、弁当を食いだし、男が、
「食欲の秋だよな」
などと言うと、お女性は、
「性欲も旺盛よ」
なんて言いだしたものですから、私メといたしましては、ウキウキ。

車内はへんに静まり返りましたのであります。

そんな気配など関係ないかの如く、二人は酒盛りをはじめたのであります。
酔うにつれて、エロ話を大声でやりはじめましたから、願わくば私メも仲間入りしとうございました。

が、お女性は酔い潰れたのでございます。

おぅおぅ、なんと麗しきカップルか。
お女性のおみ足を膝に抱きかかえ、男は恋に陶酔した表情。
かなりの美人なのであります。

私メは、衆目のなかで、こういうことはできませぬ。
こういうことをする男を、羨ましく、尊敬するのであります。
大物のツワモノでございます。

「オノさんは冷たいよね」
と評価されるのは、こういうことを恥と思っているというか、とてもできないからでありましょう。

先天八字推命(四柱推命)において、私メは偏財も正財も天干に出ていないのであります。偏財、正財が天干に出ていない男は、内づらが悪いのであります。
優しくしようとしても、態度はその逆になってしまう傾向なのであります。

この男は、おそらく天干に偏財あるいは正財が二つ以上あるはずであります。

逆に女性の命式に、偏官、正官のないお女性も、またどこかシャイ。積極的にならなければいけないときに、しり込みするタイプでありますです。
では偏官、正官があればいいかというと、二つ以上あると、今度は男運が悪いのであります。

お女性は寝ぼけて、それとも酔いすぎたのか、
「ねぇ、キスして」
とかすれた声をあげておりました。
可愛いのであります。

周囲からは「イイ加減にしろ」とでもいうような舌打ちが聞こえましたけれど、いや、じつに美しい濁情につつまれたお二人でありました。

四柱推命などの知識があると、相手の行動から、どういう生年月日なのかを推理する楽しみがございますです。