2013
05.08

引き出しの下の、古いちいさなバッグの中から、このようなモノが出てきたのでありました。

小野キヨセとは、18年前に死んだ、私メの祖母でございますです。
震える筆跡であります。

死ぬ二、三年前のモノでございましょうか。

でありますから、コレをもらったのは、それ以前ってことになるわけでして、ざっと20年ほどもバッグの中にしまいこまれていたのでありましょう。

とても使えるお金ではなく、イザと言うときのタメに手をつけなかったのか。

それにしても、お金を仕舞い忘れることなどありましょうか。
人に貸した千円ですら、何年間も憶えているわけでございますし。

いや、やはりもらった本人は忘れるかもしれませんですね。

それとも、あの世から贈ってくれたと考えても悪くありませぬ。

何に使おうか。
さしあたって欲しいモノは何もなく、まさか飲み代に使うこともできず…であります。

と、思いながらも、愚かなことに消費してしまうのは経験上からも否定できませぬ。

ひどく得をした気分でございます。

イイことがありそうな気持ちになるのであります。

私メは、祖母ほど愛してくれた人を知りません。
重苦しくはありましたが、無償の愛だったと振り返るのでございます。

けっしてけっして、お金が出てきたのでそう思っているのではなくて、でありますですよ。