2013
05.09

ひっそりと柚子の花が咲いていたのでした。
やはり無言でございます。

「愛して」とも、「愛している」とも語らず、ただ咲いているのでございます。

語らないということは、なんとなしの不安をかきたてるものであります。
「キライ」
とでも喋ってくれたら、
「もう見ないよ」なんて答えられるのに。
「部屋に飾って」と言われたら「もっと派手に咲いたらね」とへらず口を叩けるのに。

直答を花は許してくれないのでございます。
だから美しいのかもしれませぬ。

恋において、もっとも残酷な仕打ちは、沈黙でありましょう。

「お前のようなバカ女なんて」
などとメールが来たら、無視。
言いたいことはたくさんあるかもしれません。「バカはどっちよ。ケチ男」などと返したくなるかもしれません。

そこをこらえることが大切であります。

メールボックスを出来るだけ美しくキープしたいものであります。
そこは過去のゴミの言葉で一杯でありましょう。
もちろん、最初の頃の、心が踊るようなメールもございましょう。

でも、関係が深まるにつれて、送信、受信したメールボックスは腐敗臭を出しておるのでございます。
そのメールボックスは、ご自分の心の中。
過去のメールを眺めれば、自分の本当の姿が分かるのであります。

沈黙。

くだらないメールはスルー。

この自制心が、良い恋を迎える姿勢なのでございますです。