2013
09.16

京都や奈良を洪水の被害に巻き込んだ台風は、いま滞在中の岩手県に接近しているのであります。

庭も、ごらんのとおり池のごとく雨水が降り注いでいるのでありました。
が、することもない身には、台風は、心の休まる、しやわせに近いものがございます。

「そうそう」
と同意してくれるお方は、孤独なお方でありましょう。
「勝手なことをほざいてる」
とムカッとされたお方は、少なくても孤独ではないお方でかもしれませぬ。

台風は部屋のなかにこもる理由になるのであります。
「だって、この雨だもの何にもできないのよ」
という口実にしてくれますです。

♬雨が降るから逢えないの。逢わないあなたは野暮な人♬
という歌がございました。

こうなると雨が止まずにいてほしいという気持ちになるものでございます。
ーー止まない雨はないーーなんて本がありましたが。

スーパーに行きましたら、鍋物の具を買っている男女がおりました。
暴風雨を木の洞でやり過ごそうとする可愛い小動物のようでありました。
しやわせな夕餉になるでございましょう。

私メは老母との夕食のための材料を買い求め、ずぶ濡れになりながら、パーキングまで小走りにはしるのでありました。

孤独は孤独。雨のせいではないようでございますです。