2014
02.21

銀行に行く用事があり、わざと車を遠くの駐車場において、ぶらぶらと昼のモリオカを歩くのでありました。

最近は夜の街に出るのが億劫になりまして…いや知り合いも加齢し、10年前にはまだ若さの残るお女性も、しぼんだ風船の如き状態となっているのであります。

お化け屋敷に入るのにお金が必要なのはわかっておりますです。が、お化け屋敷だけでは複雑な思いにとらわれるのでございますです。

かつてはというのは明治維新の直前の頃でございますが、不来方城の天守閣があったらしい公園の一隅は桜山神社が寂しい甍を輝かせ、そのおくに烏帽子岩が姿をみせております。

不思議なのは、この神社の参道が南向き。つまり神社は北向きに建てられているのであります。その参道を地図上の伸ばすと愛宕山にぶつかりますです。
が、背後の愛宕山を守護とするのが通常の姿ではないかと思われますのに、これはどーしたことでありましょうか。

で、モリオカ歴史館に立ち寄りました。
すると、ずっと以前は、この神社は東向きであったことが分かり、いささかホッといたしました。
はるか東に早池峰山があり、北西に岩手山という配置になるのであります。
まだ疑問は残りますが、地方都市の風水もなかなか味わいがございます。

歴史館の片隅に、石川啄木の詩のコピーがございました。

呼吸すれば…から始まり、眼閉じれば心にうかぶ何もなし、さびしくまた眼を開けるかな…

昴という歌の種本というわけあります。
喉を大切にするかの如き話し方をし、中国から相手にされなくなるとわかると、関係ないのに被災地支援とかを始めるおっさんの精神構造の正体なのでありますです。

昼のモリオカ…しぼんだ風船のお女性たちに目撃されぬために、サングラスははずせないのでありました。