2014
03.23

流れる水も春を告げておりますです。

私メは近くのお庭を散歩いたしておりました。
梅の花がおわり、次の爛漫と花々が咲くつなぎ目の束の間の殺風景な期間なのであります。

ちょうど濁情と濁情の間の落ち着いた日々のようでもあるのでしょうか。

そして、死んだ人ばかりが登場する夢をみるのであります。
お彼岸ということもあり、無意識が死者を懐かしんでいるのかもしれませんですね。

一週間前に滞在していたかの地も、現実感に遠く、死の世界だったようにも思えるのでございます。

崩れた城壁に咲く花々の鮮やかすぎる光景は、華やかすぎるために、かえってこの世のものと納得できないのでございますです。

電話に出るのも億劫、メールの返事を打つのさえ「どっこいしょ」と気合を入れなければなりませぬ。

「彼女はどーしてるのかなぁ」
「死んだよ」
「いつ?」
と、かつての濁情のお相手をしてくれたお女性の訃報を知らされる年齢も遠いことではございませぬ。

生と死の狭間のような、ちょうど現在の私メの年齢を、季節は教えてくれているのかもしれませんです。