08.16
やるべきことはあるのですが、今夜は日本酒をやろうかと…。
大切に取っておいた頂きモノでございます。
原爆記念日、高校野球、敗戦記念日、京都の大文字とつづきまして、夏もお仕舞であります。
すべて自分には関係のないイベントであり、残暑は厳しいのですが、体は日本酒だの、サンマだの肉汁だのを求めつつあるようでございます。
発狂した叔父がガス管をくわえて死んでから、何年が経つのだろうとか、少女だったアヤツは何歳になったのであろうかとか、去年の夏は銚子で過ごしていたなぁとか、そういう風に吹かれて飛んでしまうような自分の頭だけのエピソードをくくり返しては、ちびりちびりと胃を火照らせるのでございます。
創業が明和二年の酒蔵でありますから、今を去る二百五十年ほどでありましょうか。
その頃の日本の夏は、ふんどし一つで立膝ついて臭い酒を飲んでいたのでございましょう。
江戸も糞尿の臭いで頭痛するほどだったのかもしれませぬ。
恋愛などというものが、その頃にあったことすらも不思議でございます。
好きとか嫌いとか、そういうことで悩んで、しかし時は過ぎて流れて、当人は骨さえも腐れているというのに、同じようなことをいまだに取沙汰しては、ああぁと呻いたり、ギャーギャーと大騒ぎしているのでありますですね。
かくいう我々も二百年もたたぬうちに人相も失われ、黄色い土と同化するのでございますです。
二百年後の幸運などをいま掴むために奇門遁甲術があるのでありますが、奇門遁甲も万能ではございませぬ。
すべての欲望を満たせるわけではないのであります。
やはり断易でありましょうか。
面白みは断易かも知れないぞ、などと。
すこしのお酒で酔ってきたようでございます。
最近は、断易の専門書を読みつつ、酔っていくありさまが気持ち良いのでございます。