2014
12.21

おお、冬至のお風呂用として取っていた柚子がカビだらけとなっておりました。
今年は庭の柚子は不作でして、ほとんど数える程度。

が、見れば、そのカビも麗しいのでございます。

けれど手のほどこしようもございませぬ。
終わりなのであります。

麗しいと鑑賞する心にも、いささかの嘘がございます。無理がございます。

男女関係において、その濁情が切れる決定的な要素として、「形」であるのは事実であります。

その美しさがしなびても心は変わらないと誓ったとして、現実に美しさが傾きだすと、濁情は灰と化すのは自然の流れかもしれませぬ。
占いは「時」を重視いたします。

性格が気にくわない、最低な心の持主だと相手を否定したとしても、それは結局は自分の醜い心の投影でありますから、関係は持続いたします。
社会的な面で相手が上役にはぺこぺこするところが嫌だと思うその心は、自分もまたその傾向があるのであります。
相手のケチなところを否定するのであれば、自分の心には何事もお金に執着するところがあるのであります。
が、自分の心の投影である限り、その相手は自分の鏡でありますから、濁情関係を絶ち切ることは出来ず、たとえ別離しても、季節が移ろう頃に懐かしくなって連絡をするのであります。

しかし、「形」の変化は相手が別人となるに等しいことでございいます。
「頭が禿げた」「歯が汚れた」「皮膚がたるみ黒ずんできた」
などの変化は、「いたし方ないことだ」と諦めめ認めつつも、カラダは背を向けるのでございます。

婚姻関係で結ばれているならば、それでも関係はキープするはずであります。
ところが純粋な濁情だけの関係であれば、その形の変化は崩れてしまう可能性が多いのであります。
せっかくダイエットして痩せたのに、濁情の終焉を迎えるケースもございます。

「ちがう、自分はそういうことでは心を変える人間ではない」
と自分に言い聞かせるのでありましょうが、
「もう駄目だな」
と正直な言葉が心に浮かんだならば、あとは一人で祝杯をあげるのみでありましょう。

卒業を祝う酒として。

年末を迎え、以上のごとき悩みを抱えているお方が増えているように見えますです。

柚子のカビが、私メに終焉を連想させた所以やもしれません。