2014
12.24

十傳スクール夜組が終わり、いやに静まり返った東京駅から東海道線に乗り込み、しばらくいたしますと、ギギャッ!となったのであります。

素足にローファー!!!

ゲゲゲゲェー!
ほとんど反射的に隠し撮りのシャッターを切ったのでございました。

銀座のレストランのブルガリを覗きますと、かような人種がみな、素足のローファーで脚を組むみつつワインを傾けている異様な状況を目撃し、人類のすべての恥を一身に背負ったように赤面してしまうのでありますが、東海道線の素足男は、どちらか言いますと地味すぎるおファッション。

女子高生の学校指定のお靴ではサマになりませぬ。
あるいはワイシャツ姿になっているので、たんなる暑がりさんなのかもしれませぬが、そんなことは、もはやどーでもイイのであります。
レッドパージの気分。
小林多喜二をいじめる官憲の心となっておりました。

S的な気持ちに襲われ、さらにシャッターをカシャリ。

が、まだ、オショッシー君は後ろにもおりましたです。
こげ茶のミンクコートの男がソレでありました。
膝まで隠れるほどのロングの毛皮。五木ひろしが郷里の福井に帰省する姿を彷彿とさせるのでございました。
そのミンク男を写すタイミングを逃したことが無念でなりませぬ。

なので残忍な気持ちは素足男に集中し、私メは田舎のあんちゃんの如く、ニヤニヤした笑みを彼に投げつけるのでございました。

けれどゴキブリがなぜ嫌われるか、ゴキブリ自身は知らぬように、彼は私メのイジメ心に気付かず漫画雑誌を貪り読んでおるばかりでありました。

高倉健が主演した「駅」という映画で、宇崎竜童が演じるチンピラが冬の留萌に正月休みで帰ってきたときもまた白っぽい毛皮をはおっていて、大笑いした記憶がございますです。

そろそろ正月の帰省シーズンが皮切りとなりますが、なにとぞ気取ることなく、普通のファッションでお帰りあそばすよう伏してお願いいたすのであります。

ショスー、ショスー、ショスー!
車両の壁に頭を打ち付け、舌を噛み切りたいほどの夜でした。
ショスーもオショッシーも「恥ずかしい」の東北弁でございます。