2015
01.09

開運カレンダーには「ブランド品を眺めると、そのブランド品が手に入る」と書かれているのですが、私メはホームセンターら足を運びまして、ご覧のような労働者用ブルゾンを試着したのでございます。

なにしろ貧乏旅行を計画中なのでございます。
持っている高級レザーコートではダメであります。ズボンの裾を防寒靴にたくし込んだ格好で、羽田に向かう所存。しかし飛行機は良い座席でなければなりませぬ。
そしてスッチーさんに、ガラガラ声を作って「さぁ、酒を持ってきなさい」と命じるところから私メの旅行は始まるのでございます。

まずはブルゾン。嘘のようなプライスであります。が、ある程度、使いこまねば、簡易旅館のオバちゃんに見破られてしまいますです。

そう、オバちゃんには「おい、うなぎ屋からうな重の上を注文しなさい」とも所望するつもりであります。

願わくば、その簡易旅館に連泊中に、だれかお女性でも訪ねていただければ最高でありますね。
そのお女性は若くてもいいし、中年でもイイのでございます。
毛皮のお金持ちのお女性でも、赤いすり切れたウールのコートの指があかぎれにひび割れたお女性でも悪くありませぬ。

と、バカな妄想に取りつかれて鏡を眺めていますと、本物の労働者のオヤジが「おお、いいねぇ。それ。かっこイイよ」と褒めてくれましたです。
カッコ良く見えてはダメであります。

あくまでも落ちぶれたジジイでなければなりませぬ。

結局は何も買わず、錆びた自転車で一号線の十字路にたつタブの樹の根元にしゃがんで煙草をふかすのでありました。

無理をせずとも人格が破壊されたジジイなのかもしれませんです。

頑固、頑迷を通り越し、頑屈な老人へと向かっていることを自覚し、それをよしとする今日この頃なのでございます。